「歩きこそゴルフの王道」も風前の灯火!? 温暖化と高齢化で名門コースもカート利用が加速

3年前に一挙40台の乗用カートを導入した嵐山CC
3年前に一挙40台の乗用カートを導入した嵐山CC 【拡大】
酷暑の山は越えたとはいえ、まだまだ暑い日は続きそうだ。本稿執筆時の直近1週間(8月19~25日)に熱中症で救急搬送された人の数は、全国で3227人に上ったという。ゴルファーの高齢化も指摘される昨今、メンバーやビジターの声に押され、乗用カート(以下、カート)の導入に踏み切るコースは多い。

嵐山カントリークラブ(埼玉県)の場合は、3年前から40台のカートを導入。歩きにこだわるメンバーの声もあったというが、招待されたビジターやコンペの参加者から、カート利用の要望が多く、導入したという。

千葉の老舗コースである船橋カントリー倶楽部も昨年4月から55台のカートを導入。メンバーの要望がキッカケだが、こちらはキャディへの配慮もあった。カートの半数はコーライ芝のフェアウェイ乗り入れもできる。ゴルファーたちだけでなく、キャディたちの疲労も大きく軽減された。

船橋には自前の保育園まである。ママさんキャディにとっては、子育ての面でも安心できる環境だ。今や人材確保も大変な時代。長く勤めてもらうための環境改善のひとつが、乗用カートの導入でもあったわけだ。

一方で「歩きこそゴルフの王道」であることは、名門ゴルフクラブの代名詞である関東七倶楽部のプレースタイルをみれば明らか。いずれも基本はキャディ付きで、歩いてプレーする。

とはいえ七倶楽部とも、乗用カートを全面的に禁止しているわけではない。実はすべてが、申請や要望があれば対応できる状況を整えている。

例えば「日本人による初のゴルフ場」として知られる東京ゴルフ倶楽部(埼玉県)は、年齢に制限なく歩行に支障があるなどの理由を書いて申請すればOKだという。

かつて東京GCの土地問題から、後継コースとして設立された経緯もある程ヶ谷カントリー倶楽部(神奈川県)は、カート使用に80歳以上という原則がある。しかし「80歳未満でも障害等がある方などは利用できます」と、使用には柔軟性を持たせ、すでに12台のカートをスタンバイさせている。

来年、東京オリンピックのゴルフ競技を開催する霞ヶ関カンツリー倶楽部(埼玉県)の場合は「80歳以上で診断書の提出があれば」という条件がつけられる。天候が良ければフェアウェイにも入れるというから、足の悪い人にはありがたい。七倶楽部の他のコースでは、我孫子GC(千葉県)がカート8台を用意。小金井CC(東京都)は3台、鷹之台CC(千葉県)は5人乗り2台、2人乗り4台の計6台、相模GC(神奈川県)は2台のみ保有している。

地球温暖化の影響もあり、酷暑に拍車がかかっている日本。高齢化の現実もあり、今後も乗用カートの需要が高まりこそすれ、下がることはない。特にメンバーの高齢化が著しいコースほど、一気にそこになだれ込む可能性を秘めている。

(日本ゴルフジャーナリスト協会会長代行・小川朗)
※週刊パーゴルフ2019年9月17日号「芝目八目」より

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