古江彩佳のクラブ破損事件でJGAが処分発表もHPでの報告のみで一方的に幕引き!?

まさかの“終結宣言”で日本ゴルフ協会(JGA)が抱える根本的な問題がいくつも露呈した。日本女子アマチュアゴルフ選手権で起こした前代未聞の不祥事を、公式HPの「お詫びとご報告」だけで幕引きしようとしているのだ。

同大会最終日の6月28日、最終組の古江彩佳のクラブ(3W)を、山中博史JGA専務理事が運転するカートで折ってしまった事件の後始末。現場で山中氏が本人に謝罪した後、翌日HPで謝罪。7月1日にはJGAの名で「謝罪と調査、再発防止策、山中氏の処分について検討し、HPで発表する」とした。その結論が、ようやく出たのが7月31日。宣言どおりHPでの一方的なものだった。

内容を要約すると①古江をはじめとする出場選手、大会関係者他多くへの謝罪、②経緯の説明、③山中氏の処分(譴責)と、6か月間役員報酬を30%自主返納する申し出があったこと、④再発防止策。

これだけでJGAは十分だと認識しているようだ。

「HP掲載通りなので会見の予定はありません。古江選手にも再三謝罪しており『ここまでしていただいて恐縮です』といっていただいています。間にわだかまりがあるのなら別ですが、そうではないのでこれで終結とします」と、塩田良事務局長は言い切り、記者会見の予定もないという。

直接の被害者である古江との間だけの話なら、それで済むかもしれない。しかし、主催競技で役員が起こした前代未聞の事件の影響は、他の選手にも出ていて当然だ。同時に、組織の体質そのものが問われている。にもかかわらず「古江さん以外には特に何もしていません。プレーが多少遅れたとは思いますが、影響が出たかどうかは見てもわからないので」(前出・塩田氏)と、JGAは二者間の話だけで済ませようとしている。

さらに、竹田会長名での「お詫びとご報告」にも書かれているように、同会長はカートの同乗者。今回はハンドルを握っていなかったとはいえ、広い意味では“当事者”だ。それを考えると「安全・危機管理担当理事は山中専務理事ですが、今回は本人が当事者ということで、会長である私が陣頭に立ち、諸々の指示を出させていただきました」というHPの文言には違和感を禁じえない。この場合、自らの責任を含め、第三者に判断を委ねてこそ、公平な処分といえるのではないのか。

処分発表まで約1カ月と時間がかかったことも大きな問題点だ。

「きちんとした事情聴取、専門家を交えて倫理委員会に処分を諮り、会長に具申し理事会にかけました。全て書面会議です。役員の中にはこのこと(事件)を知らない人もいたので説明しなくてはならず、それくらいの時間はかかります」(塩田氏)

役員が全国に散らばっているといっても、これでは今後の危機管理も思いやられる。今どき電話会議などいくらでも手段はあるはずだ。事件を知らない役員がいるなどというのは怠慢でしかないだろう。

時間は巻き戻せないが、起きてしまったことに誠心誠意対応し、防止策を講じるのが本当の危機管理。今回の件でなされるべきことを順に並べれば①古江選手への謝罪、②事実関係の調査、③他の出場選手や関係者への謝罪、④早急で公平な処分、⑤組織の在り方も含めた根本的な再発防止策、⑥会見を開き説明責任を果たすこと、となるはずだ。

現状を見るに、できているのは①と②のみに思える。1年後には五輪ゴルフ競技をNF(ナショナルフェデレーション)として仕切る組織としては、あまりにもお粗末といわざるを得ない。

(ゴルフジャーナリスト・小川淳子)
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