
女子ツアーでは賞金ランキング1位に与えられる「賞金女王」のタイトルのほかに、「メルセデス・ランキング」1位に贈られる「LPGAメルセデス・ベンツ・プレーヤー・オブ・ザ・イヤー(年間最優秀選手賞)」がある。
同ランキングは2012年から独自のポイント制で設けられた制度。年間1位にはメルセデス・ベンツの車両のほか、3年シードの資格が付与される。
現在、メルセデス・ランキング1位(203.5ポイント)は穴井詩(6月16日時点)なのだが、賞金ランキングは8位となっている。一般的な考えとしては、賞金ランキング上位の者が、メルセデス・ランキングも上位であることが多いのだが、なぜこのような現象が起きているのか。
メルセデス・ランキングは、出場大会の順位に応じたポイントと出場ラウンド数のポイントの合計で算出される。つまり、いかに安定した順位をキープし、かつラウンド数をこなしたかどうかで、最優秀賞が決まるというもの。コンスタントに成績を残し、試合数をこなした者にポイントが加算されるシステムで、賞金女王よりも確実に「実力のバロメーター」といえる。
ポイントは各大会の上位20人に、順位に応じて加算される。さらに公式戦は2倍、公式戦以外の4日間競技は1.5倍となる。なぜ穴井が1位なのかというと、ここに当てはまる成績を残しているからだ。
穴井は今季開幕戦から宮里藍サントリーレディスまで、一度も休まず15試合に連続出場の鉄人ぶりを発揮。さらに20位までが9回。そのうち4日間大会のダイキンオーキッドレディス2位タイ、ヤマハレディースオープン葛城で10位タイ、宮里藍サントリーレディスで3位タイ。さらにポイント2倍のメジャー、ワールドレディスチャンピオンシップサロンパスカップで3位に入っている。
つまり、一度も休まず試合に出続け、なおかつ、4日間大会で驚異的な強さを発揮しているからこそ、これだけのポイントを稼げているというわけだ。
この事実を穴井詩に伝えると「正直、そこは知らなかったです。今週はポイント2倍になった! とか意識していませんからね……。でも1位には賞金シード3年がもらえるのは魅力的ですが、まだまだ先の話なので。ほとんどの選手が賞金シードを獲ることを意識していると思います」と話す。
現在賞金ランキング50位の永峰咲希はこう話す。
「私の勝手なイメージですが、メルセデス・ランキングは賞金女王を取った人が獲得できるというイメージがあります。ポイント制は選手にとっては分かりにくい部分があるので、それほど意識していないのかもしれません。あくまでも賞金ランキングがメインになってしまいますし、肩書きがつくのも“賞金女王”なので、どうしてもそこが重要視されてしまうのではないでしょうか」
選手の立場からすれば、ほとんど意識することがないのが、このメルセデス・ランキングのポイント制度なのだろう。
ただ、確実にコンスタントに試合に出場し、着実に成績を残したものが上位に行く制度だけに、もう少し賞金女王と同等の価値、認知度になればいいと思うのだが……。
(本誌・金 明昱)
同ランキングは2012年から独自のポイント制で設けられた制度。年間1位にはメルセデス・ベンツの車両のほか、3年シードの資格が付与される。
現在、メルセデス・ランキング1位(203.5ポイント)は穴井詩(6月16日時点)なのだが、賞金ランキングは8位となっている。一般的な考えとしては、賞金ランキング上位の者が、メルセデス・ランキングも上位であることが多いのだが、なぜこのような現象が起きているのか。
メルセデス・ランキングは、出場大会の順位に応じたポイントと出場ラウンド数のポイントの合計で算出される。つまり、いかに安定した順位をキープし、かつラウンド数をこなしたかどうかで、最優秀賞が決まるというもの。コンスタントに成績を残し、試合数をこなした者にポイントが加算されるシステムで、賞金女王よりも確実に「実力のバロメーター」といえる。
ポイントは各大会の上位20人に、順位に応じて加算される。さらに公式戦は2倍、公式戦以外の4日間競技は1.5倍となる。なぜ穴井が1位なのかというと、ここに当てはまる成績を残しているからだ。
穴井は今季開幕戦から宮里藍サントリーレディスまで、一度も休まず15試合に連続出場の鉄人ぶりを発揮。さらに20位までが9回。そのうち4日間大会のダイキンオーキッドレディス2位タイ、ヤマハレディースオープン葛城で10位タイ、宮里藍サントリーレディスで3位タイ。さらにポイント2倍のメジャー、ワールドレディスチャンピオンシップサロンパスカップで3位に入っている。
つまり、一度も休まず試合に出続け、なおかつ、4日間大会で驚異的な強さを発揮しているからこそ、これだけのポイントを稼げているというわけだ。
この事実を穴井詩に伝えると「正直、そこは知らなかったです。今週はポイント2倍になった! とか意識していませんからね……。でも1位には賞金シード3年がもらえるのは魅力的ですが、まだまだ先の話なので。ほとんどの選手が賞金シードを獲ることを意識していると思います」と話す。
現在賞金ランキング50位の永峰咲希はこう話す。
「私の勝手なイメージですが、メルセデス・ランキングは賞金女王を取った人が獲得できるというイメージがあります。ポイント制は選手にとっては分かりにくい部分があるので、それほど意識していないのかもしれません。あくまでも賞金ランキングがメインになってしまいますし、肩書きがつくのも“賞金女王”なので、どうしてもそこが重要視されてしまうのではないでしょうか」
選手の立場からすれば、ほとんど意識することがないのが、このメルセデス・ランキングのポイント制度なのだろう。
ただ、確実にコンスタントに試合に出場し、着実に成績を残したものが上位に行く制度だけに、もう少し賞金女王と同等の価値、認知度になればいいと思うのだが……。
(本誌・金 明昱)