韓国人選手のダボに「ありがとう」の声援(?)過去には岡本綾子が行き過ぎた身内びいきを叱った例も

もちろんヒョージュに本来の意味での声援を送った人もたくさんいる
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「ありがとう!」

ヨネックスレディスゴルフトーナメント最終日、上田桃子と優勝争いをしていたキム・ヒョージュに心ない感謝の声援が飛んだ。

最終組が9番ホールのグリーン上でプレーしているときだった。「ありがとう!」の声は首位で上田と並んでいたヒョージュがダブルボギーを叩いてホールアウトしたときに、ギャラリースタンドから聞こえた。

「私は気がつきませんでした。ヒョージュが外してざわついたのは感じましたが、最終組は地元の石井里緒さんが一緒に回っていたので、上位の選手がちょっとでも落としてほしいというのがあったのではないでしょうか」

こう話す同大会で今季2勝目を挙げた上田桃子だが、自身も“被害”に遭った経験者だ。

「私も『外せ、外せ』とか、打つ前にいわれたことがあります。そのときは大山(志保)さんが注意してくれましたが、プロ野球の試合とかでは、野次がつきものですよね。いい声援も悪い声援もあるのがプロスポーツです。とはいえ、海外の選手は日本にくると、応援が素晴らしいとみんなが褒めてくれる。そこには誇りを持ってほしいと思います」(上田)

過去にはこんなこともあった。1984年のマツダ・ジャパンクラシックでのことだった。最終日に同組で岡本綾子とジャン・スティーブンソンが首位を争っていた。14番ホールだった。スティーブンソンがボギーを叩くと、ギャラリーから「ナイスボギー」の声がかかったのだ。すぐさま岡本が「なんでそんなことをいうのですか?」と、涙を流して激しく抗議をしたという。

集中して観戦していれば、気持ちが昂ぶって激しい言葉が出てしまうことがあるかもしれない。ときには「ボールをよく見て打てよ」とか、「外したらあかんぞ」など、選手を追い詰める応援もあるだろう。だが、「ナイスボギー」は違うし、「ありがとう」だって違う。「頑張れ! 信じているぞ」と応援する者の諦めない気持ちに選手たちは発奮するのだ。

上田がいうように心ない声援は、野球などと同じようによくあることで、選手自身はそれほど気にしていないのかもしれない。しかし、心ない声援がプロたちの名勝負を台無しにしてしまうことだってある。

石川遼は自分に応援が集中した試合の後で「ゴルフはブーイングが向かないスポーツ。外したことを喜ぶ応援のスタイルはゴルフには向いていない」という言葉を残した。

観戦する者一人一人が、品格を持っていたいものである。それが試合を盛り上げることにつながるのだから。

(本誌・河合昌浩)
※2019年7月2日号「芝目八目」より

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