勝みなみの3勝目をドラマに食い込んでも最後まで放送したテレ東の英断、その舞台裏

プレーオフを制して令和初勝利を飾った勝みなみ(写真・鈴木祥)
プレーオフを制して令和初勝利を飾った勝みなみ(写真・鈴木祥) 【拡大】
前項でも触れた勝みなみ優勝の万歳の直後、画面が突然、ドラマ『孤独のグルメ』に切り替わる。しかも途中からだ。日本では珍しいこんなシーンがテレビに流れた。

パナソニックオープンレディース最終日は、雷雲接近のため13時15分にプレーが中断した。最終組はまだ10番を終えたばかり。土砂降りとなり雹まで降ったが、天候が回復して2時間27分後にプレーが再開された。

中断の間、水面下であわただしく繰り広げられていたのが、テレビ中継についての対応だ。予定は、テレビ東京系列全国6局ネットで16時から17時15分までの録画放送。「多少の中断やプレーオフがあっても枠内に入る時間設定」(テレビ東京関係者)だった。しかし、中断が長引き、再開後は生放送に切り替えても枠内に収まらないことが確実となる。

「放送で大切なことはたくさんありますが、中でも視聴者の皆さんにご覧いただくことは一番大事。ライブで放送しつつ(決着まで入らずに)終わってしまう状況は避けたかったので、地上波、BSも含めて現場であらゆる方法をさぐりました」(同前)

日没は18時20分頃。せっかく放送を延長する以上は、結果まで入れられる枠を必死で探る。BSのテレビショッピングの枠で18時20分まで放送することが決まったのは、プレー再開が迫る中でのことだったという。

試合はプレーオフにもつれ込み、さらに長引く。それでも、日没の時間は決まっており、それより長引くことはない。「次のドラマのアタマの部分が欠けるとしても、(ドラマは)またご覧いただくことができます。(試合の結果を)見せることを優先しました」(同前)と、ギリギリ勝の優勝決定まで放送し、すぐにドラマに切り替えたというわけだ。

ファンにとっては大歓迎の今回の放送延長劇。日本女子プロゴルフ協会の小林浩美会長も「テレビ東京さんが速い決断をしてくださって本当にありがたい」と、感謝を口にした。しかし、今回はさまざまな条件がうまく整ったからからこそ、最後までの放送が実現したが、いつも簡単にできるかといえばそうではないというのが実情のようだ。

ゴルフトーナメントは自然条件に左右される部分がきわめて大きいが、テレビ番組は時間枠が決められており、常に調整が必要となる。BSやネット中継などの出現によりゴルフ中継の形も変化し続け、試行錯誤は続く。そんな中でも、視聴者に見せることが一番大事という前出の優先順位が、常に大切にされてほしいものだ。

(ゴルフジャーナリスト・小川淳子)
文・編集部 ※2019年5月28日号「芝目八目」より

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●フィジカル強化が奏功して3勝目の勝みなみ 飛んで曲がらないショットの秘密は“腹凹”にアリ!?
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