【GOLF、今この人に聞きたい!】 第147回:相原博之さん

 「飛距離が落ちてくるとセカンドショットがどうしても長くなってしまいます。そこで活躍するのがユーティリティです」

 長いパー4は、どうしても200ヤード前後のセカンドが残ってしまう。長いアイアンはミスが多いし、フェアウェイウッドではグリーン上で止まらずに奥まで転がってしまうこともある。しかしユーティリティなら球の高さがしっかり出てグリーン上で止められる。

 「3年前に一度ハンディが6まで下がりましたけど、ユーティリティを1本増やしただけで5になって、寄せの練習をみっちりやったら4まで戻りました。ユーティリティはミスしても大きな曲がりになりにくいので、寄せで頑張ればパーが取れるようになりました。とにかく、200ヤードの距離を3回で収められたら、ハンディ5から落ちることはないと思いますね」

 むむ、もともとの体力差があるので相原さんをそっくりマネるのは不可能だが、長いセカンドから3打で収めるスキルが重要という点は大いに参考になる。飛距離に悩み始めたら長い距離を楽に打てるクラブと、とにかくアプローチを練習するのがスコアアップの秘訣ということか。

 相原さんは自身がスキーヤーとして日本でトップを取り、20代後半から始めたゴルフでもトップアマにまで上り詰めただけでなく、指導者としても世界で戦えるスキーヤーを数多く育てている。トップにまでいける人と、そうでない人の違いはどこにあるのだろうか。

 「スポーツですからもちろん才能が大きいですが、トップの中のトップにいく人は、必ず自分のルーティンを持っています」

 オリンピッククラスのスキー選手のルーティンは、例えば試合で履く靴下を決めている、スキー靴は必ず右足から履くとか、あるいはバックルを一番上から順番にはめたときに10秒で締まらなかったらもう一回外してやり直す、など選手によってさまざまだ。

 「強くなる選手は、あらゆる点で自分の信念を貫きます。ルーティンはその一つの表れですね」

 では、相原さんのゴルフのルーティンはと尋ねると、ボールに線を3本書くことなのだそう。

 「ティショットのときに線が打ちたい方向とそろっていなかったら必ずやり直します。パットのときもきっちり置きますね。昔はどちらも適当でしたけど、今はこれをやらないと気持ち悪いですね」

 東海大学のスキー部は相原さんが50歳を迎えてから全日本学生選手権5連覇を果たした。歴史と伝統のある早稲田大学と日本大学との差は当初は大きかったが、20年以上の努力が実って超えることができた。スキー部の監督としては越えなければならない壁はまだまだたくさんある。

 「それでもゴルフは頭から離れませんね。スキーのシーズンが早く終わらないかなって(笑)。北海道でゴルフシーズンがスタートするGWが楽しみです」

 ツーショットの撮影で握手をしたら、相原さんの手は私の2倍ほどあるように感じた。間近で拝見すると、大きさも厚みも子供用の野球グローブと同じくらいありそうだ。足腰もがっちりしていて、これなら確かに350ヤードドライブも当然だろう。なにしろダウンヒルでは最高速度150キロ/時という尋常でないスピードで滑っていた肉体なのだ。しかし、圧倒的な飛距離をもってしても、相原さんのハンディ4.1キープの秘訣は〝寄せ〞。これもゴルフの奥深いところだとつくづく感じたひとときだった。

相原博之さん(あいはら・ひろゆき)
1961年生まれ、北海道出身。日本体育大学在学中よりアルペンスキー・滑降競技で“日本を代表するダウンヒラー”として活躍、87年ワールドカップ富良野大会で日本人最高の9位に入る。指導者としても東海大学でスキー部を一から立ち上げ、同大学付属札幌高校スキー部と併せ、里谷多英、湯浅直樹ら6人のオリンピック選手を育てている。また、全日本アルペン女子ナショナルチームのヘッドコーチなどを歴任し、 CS放送のJ-SPORTSにてワールドカップ中継の解説も務める。ホームコースは、ゴルフを本格的に始めたころに「プロスキーヤーであり登山家の三浦雄一郎さんから勧められたこともあり、学校から車で10分だったこともあり」と入会した羊ヶ丘CC。ハンディキャップは現在4.1。

道具への並々ならぬこだわりはボールのラインの色にも!! 取材中、クラブへのさまざまなこだわりを語っていた相原さん。ボールに3本ラインを書くという自らのルーティンについても、きちんと理由がある。

 「ボールにラインを引くのって、けっこう難しいですよね。曲がったり、線が太くなったり、細くなったり。そうすると実際置いたときに、目の錯覚が生まれます。ですから線を3本引いて、その線の間を見るようにしています。色も研究していて、今のところ中央を水色、上下を赤のラインが一番いい気がしますね」

(左は札幌国際CC島松C、右は紫CCすみれCでの一枚)



週刊パーゴルフ(2019年4月9日号)掲載 / 写真・鈴木健夫

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