“Made in JAPAN”のクラブを手に、初のマスターズ制覇に挑むジャスティン・ローズ

鮮烈だった1998年の全英デビュー

世界ランキング1位でマスターズを迎えるジャスティン・ローズ
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1998年の全英オープン、と言われてもピンとくる人は少ないだろうが、「マーク・オメーラとブライアン・ワッツがプレーオフになった全英」というと、思い出す人がいるかもしれない。

オメーラはその年のマスターズを制し、キャリアのピークを迎えようとしていたPGAツアーのトッププレーヤー。対するワッツは、アメリカでは出場権が得られず、日本ツアーに活路を見出したプロゴルファーだ。

エリート対雑草、そして日本のファンにとっては、日本ツアーの選手が世界のメジャー大会に勝つかもしれないという状況だった。結局、ワッツは破れ、日本ツアー由来の選手としては、ワッツの盟友、トッド・ハミルトンが2004年に全英を制覇する。

優勝争いした彼ら二人の印象が、それほど強いものではないのは、最終日に世界中を沸かせたのが、若干17歳で4位に入ったジャスティン・ローズだったからかもしれない。まだアマチュアだったローズは、少年らしいはつらつとしたプレーでトッププロたちを圧倒した。長身だったが、まだ赤みの残る頬は、実年齢よりもむしろ若く見え、はにかんだ表情はどこにでもいる普通のイギリスの若者という雰囲気だった。
1998年の全英オープンでは、若干17歳で4位に入りローアマチュアを獲得
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この年、3位に入ったのは、前年にマスターズで最年少優勝を果たしたばかりの若きタイガー・ウッズだ。タイガー、そしてローズ、彼らのような若い才能がこれからのゴルフ界を変えていくことを予感させる、そんな大会だった。

しかし、ここからのローズのキャリアは困難に満ちている。全英の翌日にプロ宣言したローズは、そこから17試合連続で予選落ちをする。たまたま一試合良かっただけのプロのレベルにない選手、そんなレッテルが貼られるようになった。ゴルフ界には、多くの天才少年が現れるが、本当に真の成功をつかめる選手は一握りにも満たない。よくいる早熟の選手、ローズもそう見られるようになった。

しかし、2002年に遅まきながらプロ初優勝を果たすと、招待選手として来日した中日クラウンズでも優勝。17歳の全英オープンでキャディを務めていたローズの父親が、この年に亡くなるという不幸があったが、欧州ツアーの賞金ランキングは9位に入り、ツアープロとして文字通り独り立ちを果たすことになる。

ジャスティン・ローズと聞くと、多くのゴルフファンは押しも押されもせぬ強豪選手で、世界のトップランカーだと答えるだろう。それ自体は正しいが、そこに至るまでの道程は、ひどく険しいものだったことには留意していい。2004年からPGAツアーに本格参戦したが、初優勝は2010年のメモリアル・トーナメント。なんと162戦目での勝利だった。

その後の活躍は、改めて紹介する必要がないほど栄光に溢れている。2013年に全米オープンで念願のメジャー初優勝、2016年には112年ぶりに復活したリオ・デ・ジャネイロオリンピックで金メダル。世界ランキング1位にも輝いた(※2019年4月8日時点で1位)。

17歳で衝撃のデビューを果たした時、早熟の天才ゴルファーだと思われていたローズは、実は大器晩成型だったのだ。この20年あまりの歳月、登場しては消えていった多くの選手たちを思う時、ローズの不断の努力に凄みを感じるのである。38歳で今年のマスターズを迎えるローズは今、自身のキャリアのプライムタイムを迎えている。

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