人格者として知られるマット・クーチャーが「ケチ!」とブーイングされる異常事態

ブーイングを浴びたジェネシスオープンだが、28位タイとまずまずの順位に踏みとどまった(写真・Getty Images)
ブーイングを浴びたジェネシスオープンだが、28位タイとまずまずの順位に踏みとどまった(写真・Getty Images) 【拡大】
いつも温厚な笑みでプレーするマット・クーチャーに、彼への声援として定番の「クーチ!」ではなく「チープ(ケチ)!」と、聞き慣れない大きなブーイングが飛んだ。ジェネシスオープンでの出来事だ。ツアーきってのナイスガイの周辺に大きな異変が起きていた。

発端は昨年11月、メキシコのカンクンで開催されたマヤコバゴルフクラシック。レギュラーキャディの都合が悪く、バッグを担いだのはローカルキャディのデイビッド・オーティス。このタッグでクーチャーは5年ぶりにツアー勝利。と、ここまではハッピーだった。

しかし、問題となったのはキャディの報酬。もともとの契約は「1週間で3000ドル、トップ10に入れば4000ドル」。優勝というボーナスで、クーチャーは1000ドル加えて「計5000ドル」(約55万円)を支払ったのだが、オーティスはこの額に不満。エージェントを通じて10倍の「5万ドル」(約550万円)を要求した。しかし、クーチャー側からの返答は「1万5000ドルでどう?」というものだった。

キャディの報酬に規定はないけれど、プロキャディの場合、優勝は賞金の10%というのが相場。クーチャーが得たのは129万6000ドル(約1億4000万円)だったから、もしレギュラーキャディなら1400万円を得ていたことになる。

ただし、これはあくまでどれくらい勝利に貢献したかなど、二人の関係によるものだから、基本的に「契約を履行して、さらにボーナスも加えた」というクーチャーの主張は正しい。しかし、このキャディの不満はツイッターなどSNSであっという間に広がり大騒動に発展。さらにクーチャーが「普通は一日200ドルを稼ぐキャディが、1週間で5000ドルを得たのだから、彼もハッピーなはず」と発言したのもまずく、相手がメキシコ人だけに“人種差別的発言”という要素も加わってしまった。

騒動の大きさに驚き、ジェネシスオープンの金曜の夜、「僕の発言で事態をさらに悪化させてしまった。もっと早くキャディと話すべきだった。彼にはお詫びして5万ドルを支払う」と発表。さらに大会チャリティへの寄付も決めた。これで一件落着となるはずだが、「この騒動でクーチャーが受けたダメージは相当大きい」といわれ、スポンサー料などが減収になる可能性もあるという。

「誰にも間違いはある」と、クーチャー。確かにもう少し早く対応していればこんな大騒動にはならなかった。そこは、安定感のあるゴルフが持ち味のクーチャーにあるまじき、ビッグミステイクだったかもしれない。

(在米ゴルフライター・武川玲子)
文・編集部 ※2019年3月12日号「芝目八目」より

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