キャディを後方に立たせても一度アドレスを解けばいい!?1月から施行された新ルールが早くも実質的改正

新ルールでの混乱を象徴する存在となってしまったリ・ハオトン(写真・Getty Images)
新ルールでの混乱を象徴する存在となってしまったリ・ハオトン(写真・Getty Images) 【拡大】
1月から施行された新ルール、規則10-2b(4)について世界で混乱が生じ、結局R&AとUSGAが当該ルールの実質的な改正を発表した。

同ルールは「キャディが選手の後方に立つことの制限」で、選手がボールを打つプロセスに入った段階でキャディが“故意”に後方、もしくは後方近くに立って狙う方向の手助けをしてはいけない、というものだ。

が、米PGAツアーのフェニックスオープン2日目、デニー・マッカーシーが15番パー5でウェッジショットを打つ際に、素振りの段階でキャディが後方に立っていた。一度アドレスを解いて後ろに下がってから再アドレスしたが、2019年の新ルールでは、一度アドレスに入った段階で、たとえその後アドレスを解いたとしても、後方からの確認と見なされる。

「これは明らかに違反」として米PGAツアーは“2罰打”を課した。例外として、グリーン上では一度アドレスを解けば違反にならないとされていたが、グリーン外では罰打の対象とされていたからだ。

しかし、USGAから連絡を受けた米PGAツアーが、翌日になって「違反には当たらない」と裁定を覆し、2罰打を取り消すという前代未聞の事態が発生した。

その前週、欧州ツアーのドバイデザートクラシックでは、リ・ハオトンがパッティングの際にスタンスをとり始めたときにキャディが後方にいたとして“2罰打”が課され物議を醸したが、翌日にはR&Aが欧州ツアーの決定を支持すると発表。こちらの罰打は覆らなかった。ちなみに、リはアドレスを解かずそのままパットを打っている。

マッカーシーのケースでは、多くの選手がツイッターなどで異論を唱え、争点はどのタイミングで“アドレスに入った”と判断するかが問題となった。実際にリもマッカーシーも“故意”にキャディを後方に立たせてラインの確認をさせたわけではない。

「ルール解釈に不明瞭な点がある」としてUSGAとR&Aは再考を実施。そしてルールの“明確化”として「アドレスに入ったと見なされるのは、最初の一歩を踏み出したとき」というのは同じだが、「一度アドレスを解いてスタンスから離れればストロークの姿勢に入ったとは見なされない」となった。キャディがボールの後ろの場所に立っていた場合、プレーヤーはコース上のどこでもスタンスから離れ、ルール10-2b(4)の違反を回避することができる。

つまり、グリーン上のみだった例外規定は実質的に無効化し、どのショットでも一度アドレスを解けば問題ないということ。R&AとUSGAは解釈の“明確化”を謳うたっているが、実質的にはルール改正といえる。しかし、一度アドレスを解けばいいのだからと、堂々とキャディに方向を確認させるプレーヤーが出てきては、ルールの精神からいって本末転倒。USGAとR&Aは事態を注視していくに違いない。

(在米ゴルフライター・武川玲子)
文・編集部 ※2019年2月26日号「芝目八目」より

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