森功 芝と冠 企業人たちのトーナメント 全英リコー女子オープン&LPGAツアーチャンピオンシップ リコーカップ「世界のメジャーから12年目の“卒業”」(3)


差別発言を繰り返すトランプのコースで、権威あるメジャーを開催していいのか?

世界のメジャーをスポンサーすることは大変名誉なことである半面、ひとたびトラブルが起きれば、その規模も世界クラスになってしまうようだ。全英リコー女子オープンが困った事態に見舞われたのは2015年、ターンベリー大会でのことだ。時は米大統領選挙の前年。泡沫候補と目されながらも過激な発言で、にわかに世間を騒がし始めたあの人物が、会場に姿を現したのである。

全英女子の前年にターンベリーを買収

メラニア夫人、三男バロンくんを伴い、ターンベリーで行われた15年大会を観戦するトランプ氏 写真・Getty Images
メラニア夫人、三男バロンくんを伴い、ターンベリーで行われた15年大会を観戦するトランプ氏 写真・Getty Images 【拡大】
 12年にわたって続いた「全英リコー女子オープン」には、日本ではあまり報じられなかった舞台裏も少なくない。例えば3年前の2015年大会も、その一つだろう。舞台は、全英コースの中でも屈指の景観を誇るターンベリーゴルフコースだ。英国・スコットランドの西海岸を望む名物リンクスコースである半面、第45代米国大統領のドナルド・トランプが14年に買収して経営するゴルフ場でもある。

 トランプといえば、父親から譲り受けた不動産会社「トランプ・オーガナイゼーション」を使ってカジノやホテル、ゴルフ場を買収してきたのは周知のとおり。数あるゴルフ場の中でも、とりわけスコットランドの名門コース、ターンベリーはお気に入りらしい。そのトランプがこの年、大統領選の出馬を表明し、共和党内の予備選に挑んだ。

 予備選には、上院議員テッド・クルーズをはじめ、ブッシュファミリーの元フロリダ州知事ジェブ・ブッシュやウィスコンシン州知事スコット・ウォーカー、元アーカンソー州知事マイク・ハッカビー、上院議員マルコ・ルビオら有名政治家が手を挙げた。ニュースコメンテーターやテレビタレントとして人気があったとはいえ、2代目経営者のトランプは当初、共和党候補17人の中でも泡沫(ほうまつ)に近いと酷評されたものだ。が、そこから、数々の過激発言で話題を振りまいた。

「メキシコとの国境に(入国を防ぐ)“万里の長城”を築き、メキシコにその費用を払わせる」

 出馬宣言のときにいきなりそういうと、相手候補を「バカ」「間抜け」呼ばわり。そのヒールイメージとは裏腹に、トランプ人気は高まっていく。ワシントン・ポスト紙とABCテレビが7月に実施した共和党候補の支持率調査では、24%とトップに立ち、13%で2位のウォーカーや12%で3位のブッシュを大きく引き離した。

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