森功 芝と冠 企業人たちのトーナメント マイナビABCチャンピオンシップ「“第二の創業”へのエンジン」(5)


JGTOが民間の会社なら、社員を食わせていけない状態だ

5回にわたって取り上げてきた「マイナビABCチャンピオンシップ」の最終回。ブランドの統一、そして社名変更と、マイナビの知名度アップは、ゴルフトーナメントによるところが大きい。しかし、社長の中川信行は、その一定の成果を認めつつも、男子ツアー全体の状況には不満を漏らす。いくつもの危機を乗り越え、絶えず会社を成長させてきた中川には、JGTOは危機感が足りないと映るようだ。

業界2位に入らなければ生き残れない

2008年大会、優勝の石川遼と記念撮影するボランティアたち。掲示物とともにボランティアのユニフォームはマイナビの企業イメージカラーである青で統一されたが、そうした徹底ぶりは前例がなかった
2008年大会、優勝の石川遼と記念撮影するボランティアたち。掲示物とともにボランティアのユニフォームはマイナビの企業イメージカラーである青で統一されたが、そうした徹底ぶりは前例がなかった 【拡大】
 マイナビにとって、ゴルフトーナメントへの投資が、第二の創業と位置づける自社ブランド商品や社名の変更を日本社会に浸透させるためだったのは、社長の中川信行をはじめ誰もが認めるところだ。事実、マイナビABCチャンピオンシップのおかげで、マイナビという会社の知名度が飛躍的に高まったのは間違いないところだろう。

 では、なぜ知名度アップのために何億円もかけて企業PRをしなければならないのか。そんな原始的な疑問について中川は、どう考えているのか。

「企業はその業界においてナンバー2以上でないと生き残れない」

 それが中川の会社経営における持論だという。こう語った。

「不景気になったときでも、人材採用のための媒体は必要ですから、業界最大手は生き残ります。仮に新卒就職情報媒体が5つあれば、クライアントはまず5番目の媒体への出稿を取りやめる。そして同時にクライアントから見たとき、トップだけでなく、2番手もなければならない」

 クライアント企業が自社の採用広告を出すとき、リーディングカンパニーしか存在しなければ、独占企業の言い値どおりに広告料が設定される可能性がある。だが2社以上あれば、競争原理が働く。したがってクライアントにとっても2番手の企業も必要とするものだという。それが中川の2番手理論である。

「つまりどの業界でも、会社がどんな状況でも生き残っていくためには、2番手以上の地位を常に保っておかなければならない。他の業界にたとえたら失礼かもしれないが、JTBさんか、近畿日本ツーリストさんか、HISさんか。会社の大きな目標として、人材情報ビジネスで競合に追いつき追い越してトップを取りたいという気持ちはあります。ただ、その前に2番手以上に入っておかなければならない」

 リーマンショックのような世界同時不況にあっても、業界2番手をキープできればいい。とりわけ就職情報サイトの運営会社にとって、大学生や転職組の若手サラリーマンに対する知名度アップが、会社の格づけに直結する。そのためのマイナビABCチャンピオンシップなのだろう。中川はこうもいう。

「トーナメントを始めたころは、まだまだ会社が小さく、宣伝にお金を費やせなかったが、情報ビジネスは、媒体自体が認知され第一想起されるようにならないと話にならない。「マイナビABCチャンピオンシップゴルフトーナメント」を特別協賛したことをきっかけに、年を追うごとに企業として大きくなり、各種の商品展開も増やしていきました。繰り返しになりますが、石川遼選手がプロ転向後初優勝してくれたおかげで知名度が飛躍的に向上し、トーナメントの協賛を10年間続け、大きな後押しをしてくれたことは間違いないと思います。少なくとも今では、ゴルフをなさる方でマイナビという会社を知らない方はほとんどいないと思いますから」

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