森功 芝と冠 企業人たちのトーナメント スターツシニアゴルフトーナメント「縁をつなげてきたシニアのパイオニア」(5)


ゴルフから始まったスポーツ支援が大きく実を結んだのが東京マラソン

5回にわたってお届けしてきた「スターツシニア」も今回が最終回。シニアトーナメントを一度中断したスターツだが、会長の村石はその間もスポーツ支援に対する姿勢を変えることはなかった。それが実を結んだのが、今や首都・東京を代表するスポーツイベントとなった「東京マラソン」であり、若い女子プロに戦いの場を提供するワンデートーナメント「スターツレディース」だ。

宣伝効果だけでなく地域密着を重視

6月8~10日に行われた今年度大会。中央の優勝者、プラヤド・マークセンから右にスターツコーポレーション会長兼CEOの村石久二、同社社長の磯﨑一雄、開催地・笠間市の山口伸樹市長。マークセンの左に同社役員の面々
6月8~10日に行われた今年度大会。中央の優勝者、プラヤド・マークセンから右にスターツコーポレーション会長兼CEOの村石久二、同社社長の磯﨑一雄、開催地・笠間市の山口伸樹市長。マークセンの左に同社役員の面々 【拡大】
 1994年、48歳にしてホノルルマラソンという初体験をした村石久二(73)は、ゴルフトーナメントに対する意欲を失いかけた。99年以降、10年近くもシニアトーナメントを中断したのはそのせいだ。

 この間、マラソンを始めた村石は、東京マラソンという一大スポーツイベントの開催に熱を入れた。結果、2007年の第1回大会から、オフィシャルスポンサーになる。三菱地所や三井不動産といった名だたる古株の大手企業を尻目に、不動産業界で唯一のスポンサーに躍り出たわけである。

 新興の不動産会社にそんなことができたのはなぜか。あらためて当の村石に理由を尋ねてみた。

「東京マラソンは、石原(慎太郎)都知事の英断と市民ランナーの声で実現しました。われわれ企業のオーナー経営者が15人ほどで年に3~4回、石原都知事を励ます会を開いていて、知事とさまざまな議論をする中で、東京の魅力を世界に発信する場として東京マラソンの発案につながったのでしょう。一方で、高橋尚子選手を指導した小出義雄監督からも陸連を通じて働きかけてもらったりするうちに、市民ランナーからも都心を走れる大会を求める声がいよいよ高まってきました。それで東京マラソンの実現は近いと感じ、あらかじめ電通さんに“うちはマラソンを愛してきた会社だから、開催が決まったら声を掛けて”と頼んでいたのです。それにしても都心のマラソン大会となると交通規制も大変ですから、突破力のある石原都知事でなければ、実現できなかったと思います」

 スターツは「杜の都全日本大学女子駅伝」や「高橋尚子ぎふ清流ハーフマラソン」、「サンスポ千葉マリンマラソン」などもスポンサードしている。TV中継の長いマラソンというイベントの宣伝効果はいうまでもないが、目的はそれだけではない、と村石はこう話した。

「東京マラソンの開催もあってマラソンブームがいっそう盛り上がったのですが、11年には千葉マリンマラソンを主催しているフジサンケイグループさんから、今日の市民マラソン人気の礎を築いたとして、フジサンケイ広告大賞イベント部門・優秀賞を頂戴しました。市民マラソンに関しては、地域密着という思いからいろいろなエリアで、1000人程度の小さな大会も含めてずっと応援してきたし、そういう部分が評価されて表彰されたのだと思うとうれしかったですね」

 村石には、スポーツや文化の支援に対するそんな実直な思いを感じる。

「本当に地道にやってきただけなのですが、うちが東京マラソンのスポンサーに選ばれたので、三井不動産の故・田中(順一郎)会長も驚かれていましたね。だからトーナメントのプロアマのときにも、財界人たちから、スターツはよくスポーツを応援している、という声を聞くようになりました」

スペシャル最新記事一覧

Pargolf Members

すでに会員の方はこちら

最新トピックス


アクセスランキング

ツアー・トーナメント

フォトギャラリー

トーナメントプロ公式サイト・ブログ