
国内に135コース、27カ所のゴルフ練習場を運営するアコーディア・ゴルフ(以下、AG)。今でも十分に巨大なゴルフ場グループだが、また大幅にコース数を増やすことになった。
AGを傘下に持つ独立系ファンドのMBKパートナーズが、日本国内で39コースのゴルフ場、2カ所の練習場を擁するオリックス・ゴルフ・マネジメント(以下、OGM)のゴルフ場事業を取得すると発表したのだ。
ちなみにMBKパートナーズは日本において、株式会社TASAKI、株式会社ユー・エス・ジェイ(USJ)や株式会社コメダ(コメダ珈琲)などへの投資を手がけた実績があり、そうした一環として、2017年3月に、AGの全株式を取得。経営に参画している。
しかし、積極的な投資を行ってきたファンドとはいえ、39ものゴルフ場を抱える運営会社の買収となれば、金額は公表されていないが、かなり大きなお金が動いたはず。どんな狙いがあってのことなのだろうか?
正式なプレスリリースとともに配られた参考資料には「(OGMは)カジュアルから接待利用などのシーンまで豊富なコースバリエーションがそろっていることが特長で、高品質なコース・施設や顧客サービスに定評がある」とあり、優良なコースがそろっていることをうかがわせる。確かにOGM傘下には、きみさらずゴルフリンクスといった競技志向で評価の高いコースなどがあり、魅力的な物件も多いように見える。
だが、果たしてそれだけなのか? 匿名を条件に話を聞かせてくれたゴルフ場経営コンサルタントは、こう語る。
「確かにそういう側面、健全経営で稼げるコースが多いこともあるでしょう。そもそも条件がよくなければ交渉のテーブルにも着かないでしょうから。ただ、やはり今回の買収劇を見るときに、現在のゴルフ場業界を取り巻く環境を無視するわけにはいきません。ゴルファー人口減やプレー単価の下落に歯止めがかからず、決して見通しは明るくありません。そんな中、オリックスグループのようにゴルフ場がメインの事業とはいえない会社は、一刻も早く手放したいというのが本音ではないでしょうか。一方のAGは同じ環境の中でも、規模をさらに大きくすることで売り上げを確保したい。両者の利害が一致した結果が今回の買収ではないでしょうか」
これからどのように二つのグループのサービスが統合されていくか、具体的にはまだ示されていない。ゴルファーとしては利便性や顧客満足度を上げてくれれば特に文句はないのだが。
(本誌・金子信隆)
AGを傘下に持つ独立系ファンドのMBKパートナーズが、日本国内で39コースのゴルフ場、2カ所の練習場を擁するオリックス・ゴルフ・マネジメント(以下、OGM)のゴルフ場事業を取得すると発表したのだ。
ちなみにMBKパートナーズは日本において、株式会社TASAKI、株式会社ユー・エス・ジェイ(USJ)や株式会社コメダ(コメダ珈琲)などへの投資を手がけた実績があり、そうした一環として、2017年3月に、AGの全株式を取得。経営に参画している。
しかし、積極的な投資を行ってきたファンドとはいえ、39ものゴルフ場を抱える運営会社の買収となれば、金額は公表されていないが、かなり大きなお金が動いたはず。どんな狙いがあってのことなのだろうか?
正式なプレスリリースとともに配られた参考資料には「(OGMは)カジュアルから接待利用などのシーンまで豊富なコースバリエーションがそろっていることが特長で、高品質なコース・施設や顧客サービスに定評がある」とあり、優良なコースがそろっていることをうかがわせる。確かにOGM傘下には、きみさらずゴルフリンクスといった競技志向で評価の高いコースなどがあり、魅力的な物件も多いように見える。
だが、果たしてそれだけなのか? 匿名を条件に話を聞かせてくれたゴルフ場経営コンサルタントは、こう語る。
「確かにそういう側面、健全経営で稼げるコースが多いこともあるでしょう。そもそも条件がよくなければ交渉のテーブルにも着かないでしょうから。ただ、やはり今回の買収劇を見るときに、現在のゴルフ場業界を取り巻く環境を無視するわけにはいきません。ゴルファー人口減やプレー単価の下落に歯止めがかからず、決して見通しは明るくありません。そんな中、オリックスグループのようにゴルフ場がメインの事業とはいえない会社は、一刻も早く手放したいというのが本音ではないでしょうか。一方のAGは同じ環境の中でも、規模をさらに大きくすることで売り上げを確保したい。両者の利害が一致した結果が今回の買収ではないでしょうか」
これからどのように二つのグループのサービスが統合されていくか、具体的にはまだ示されていない。ゴルファーとしては利便性や顧客満足度を上げてくれれば特に文句はないのだが。
(本誌・金子信隆)