森功 芝と冠 企業人たちのトーナメント ダンロップフェニックス「世界基準のトーナメントを日本に」(7)


タイガー・ウッズを呼んだのは“ハゲタカ”リップルウッドの意向だった

ダンロップフェニックスに出場した大物プロといえば、ジャック・ニクラス、トム・ワトソンといった往年のレジェンドはもちろんだが、2000年以降では、なんといってもタイガー・ウッズが真っ先に思い浮かぶだろう。そのアピアランスフィは億単位といわれてきただけに、お金があるのだなと思っていた人も多いはずだ。しかし、その陰には当時特有の事情があった。日本のゴルフ場を買いあさった、いわゆる“ハゲタカ”の存在だ。

“ハゲタカ”が見せた意外な一面

 日本のゴルフ界を牽引(けんいん)してきたダンロップスポーツが今年1月、親会社の住友ゴム工業に吸収・合併され、話題を呼んだ。グループの企業再編は、住友ゴムがスポーツ事業の転換期であることを自覚しているからに他ならない。ダンロップフェニックストーナメントへの影響について、副社長の木滑和生(61)に聞いた。

「住友ゴムと合併してもトーナメントは、ダンロップフェニックスのままです。それは、ダンロップというブランドが、われわれやお客さまの体に染みついているからです。また、昨年4月にワールドワイドでダンロップブランドの商標権を獲得したという事業環境の変化もありました。ただし、それだけが理由ではありません」

 住友ゴムとして、かつてのダンロップで培ったブランドイメージを意識しながら、新たな世界ブランドを目指そうとした。スリクソンやゼクシオにそんな目標を託したのが、ゼクシオの生みの親である木滑たち、スポーツ事業を担ってきたダンロップスポーツだ。従来のダンロップとスリクソンやゼクシオという新ブランドへの考え方について、こういった。

「例えばスリクソンというブランド名の由来にはSumitomo Rubber Industryを永久にオンしていこう、というメッセージが込められています。新参者のブランドではありますが、住友ゴムやダンロップへの一定の思いを、そこに込めているんです。そしてゼクシオは21世紀のXXIにgoonしていこう、21世紀の王者でありたいという思いを込め、開発しました。これからはそこにダンロップというブランドを加えてスポーツ事業を伸ばしていくことになります」

 ゼクシオのデビューから20年近く経たダンロップスポーツの住友ゴム吸収・合併は、アマチュアゴルファーが減り続ける中、ゴルフ事業におけるさらなるビジネス戦略の見直しを迫られた結果でもある。そしてダンロップフェニックスというビッグトーナメントもまた、時代とともに変化を迫られてきた。木滑自身が強く印象に残っているのは、やはり米投資ファンドのリップルウッドによる2001年のゴルフ場買収だったという。実はゴルフ場のオーナーとしてトーナメントのメインスポンサーとなったハゲタカファンドには、意外な一面があったと、こう話した。

「われわれはリップルウッドさんがダンロップフェニックスをどう位置づけているか、そこが一番気になっていました」

 さらに木滑が続けた。

「しかし、リップルウッドさんにもゴルフビジネスに理解のある方もおられ、ゴルフ場の価値を上げるためにトーナメントは大事で、必要だという認識でした。で、ダンロップフェニックスには絶対に世界の一流選手を呼ばないといけない、と招聘(しょうへい)したのが、全盛期のタイガー・ウッズだったのです」

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