【GOLF、今この人に聞きたい!】 第126回:山口泰弘さん

 「われわれ主催者は、魅力的で質の高いトーナメントをファンの皆さんに提供したいと考えています。そのためにはトーナメントディレクターやゴルフ場の方など関係者の力をお借りして、選手のいいプレーを引き出すための環境をつくることが大切です」

 同大会は千葉県の東急セブンハンドレッドクラブ西コースで行われる。選手に最高のプレーをしてもらって大会を盛り上げたいという主催者の想いは、最終ホールの18番パー4に集約されている。

 18番のキーポイントはグリーン左手前の深いバンカー。これはトーナメントで選手の技量を試すため2007年に改造されたもの。思惑どおり、同年の大会で早速ドラマが生まれた。最終組は上田桃子選手と横峯さくら選手の一騎打ちの展開となり、上田選手が1打リードで18番を迎えた。上田選手は1mのパーパットを外し、先にパーでホールアウトした横峯選手とのプレーオフに突入する。プレーオフは18番の繰り返し。1ホール目はともにバーディとするも、2ホール目は上田選手がティショットを曲げ、脱出後の3打目がこのガードバンカーにつかまってしまい、まさかの6オンで万事休す。

 最終日を首位でスタートした上田選手だが、まさにこの18番が明暗を分けた格好だ。

 「しばらくの間〝桃子ちゃんバンカー〞と呼ばれていましたね」

 このバンカーの難しさは、その深さにある。中に入るとピンが見えないほどの深さで、グリーン面側の傾斜はほぼ垂直。壁の近くに落ちれば、ピン方向に打つことは不可能だ。実際に先述の状況で上田選手は、左に出すことを試みた。バンカーの壁があるため、右打ちの選手はピン方向のみならず右にも後ろにも出せない。そのため狙いはグリーン左のラフに限られる。4打目は壁に当たり再びバンカーへ。5打目で脱出し、6打目でグリーンに乗せることができた。

 他にも16年大会では、笠りつ子選手がこのバンカーから直接グリーンを狙い、壁に当たって戻ってきてしまったこともある。

 このバンカーの存在で、選手は緻密な計画と実行が求められる。グリーンから逆算すると、セカンドショットはできるだけ右サイドから打ちたい。極限まで右に打てれば件のバンカーにかからず狙えるが、砲台グリーンであるため高く上がって止まるショットが求められる。そのため右サイドのフェアウェイキープが必須である。ティショットが左サイドに行ってしまうと、傾斜でラフまで転がってしまう。そこからだと、バンカー越えで、最終日にはそのすぐ先に切ってあるピンに対して、打ち上げて止めるのは至難の業である。

 「このバンカーは本当によく効いてますね。コース管理の方々はグリーンからバンカーへ向かって手で何度もボールを転がして、その間のラフの刈り高を調整しているんですよ」

 グリーンとバンカーの間には大きな傾斜がある。このエリアの芝を長くしすぎると、ここに転がったボールはバンカーに入らずに止まってしまう。一方で短く刈りすぎると、ボールが落ちる際に加速し、ガケとは離れたところへボールが落ちてしまうため、バンカーから脱出する難しさが半減してしまう。つまり、頃合いよくポトッとガケ下にボールが落ちるようなあんばいに、芝の刈り高を設定しているのだという。

 「選手がいいプレーをして盛り上がれば、多くのギャラリーに来ていただけます。ですからホスピタリティも重視しています。やっぱり現場ならではの楽しさを味わっていただきたいですね」


選手がいいプレーをすれば多くのギャラリーが来てくれる。現場の雰囲気を楽しんで!

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