森功 芝と冠 企業人たちのトーナメント ダンロップフェニックス「世界基準のトーナメントを日本に」(5)

20数年前は1日2万人を集めた観客動員が、4日間で2万人を切る厳しい現状に挑む

ダンロップフェニックスといえば、国内ツアーを代表するビッグトーナメント。ワールドクラスのパワーと技が日本で見られる数少ない機会となっている。それでも、ゴルフ人口の減少は観客動員に多大な影響を及ぼしている。20数年前の全盛期からギャラリー数は数分の1に減っている。そんな中でもチケット販売を担うフェニックスCCは、さまざまな工夫を凝らし、新しいギャラリー層の開拓に挑む。

外資時代に造られたバンカーをいくつも埋めた

 あまりに難しいコースだとアマチュアゴルファーから敬遠される――。ダンロップフェニックスの会場であるフェニックスカントリークラブの総支配人、永嶋達矢(46)は、そう話した。同じトーナメント主催者でも、住友ゴムのようなゴルフ製品メーカーとゴルフ場の経営企業では立場が異なるのは自明だ。いくら世界基準のトーナメントとはいえ、コース設定をゴルフ場経営上の判断抜きにはできない。

「ゴルフ場経営は365日ありますが、トーナメントはその中の一週間です。残りの358日は、ゴルフを楽しむ多くのお客さまの期待を裏切らない舞台づくりを考えなければいけません。プロのトーナメントだけを考えたら、至る所にバンカーや池を造ることになってしまうかもしれないけど、それだけではいけません。つまりコース設定においても、トーナメントを盛り上げる一方、お客さまに満足していただく。そのバランスが大事だといえばいいのでしょうか」

 永嶋はそういった。セガサミーグループに加わったフェニックスCCが、リップルウッドが経営していたときのバンカーをいくつか埋めたのは、そんな判断からだったという。永嶋はトーナメントの会場責任者として、地元のギャラリー集客にも力を注ぐ。その大切さを実感してきた、とこう語る。

「ダンロップフェニックスでは宮崎県を中心にギャラリーを集めることになりますから、チケット販売もわれわれが担います。そのギャラリーの数には、かなり浮き沈みがあります。僕がダンロップにいた1994年前後を例にすると、ジャンボさんが3連勝していて、日曜日1日で2万人のギャラリーが入っていました。例えば、僕たち運営スタッフがスタートホールのセカンドショットの辺りで待ち構えていると、『左に曲げたぞ』と無線が入ってくる。ギャラリーに注意を促すのですが、あまりに人が密集していて身動きが取れない。それで、ギャラリーにボールが当たってしまったり。そのぐらいの人垣でした」

 が、永嶋は現状について危機感を隠さない。

「それが去年は4日間で1万8000人。松山英樹が出場し、しかも活躍してこれですから、ちょっとシビアです。昔はスーパースターが集まり、それだけでゴルフ熱も高まっていました。それだけコアなアマチュアゴルファーがたくさんいて、集客ターゲットになり得ていたのだと思います。しかし、1400万人といわれた20年前のゴルフ人口が、今は半分の700万人ほど。それが現実です。だからわれわれは、もっと見に来てもらうには、どうすればいいか、を考える必要があります。コアなゴルファーだけではなく、もっと広くゴルフ人口を掘り起こす。ライトなゴルファーと呼んでいるのですが、その工夫が必要なのではないでしょうか」

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