家庭用としても普及し始めた3Dプリンター 大手メーカーもクラブ開発に利用していた

本間ゴルフが導入する3Dプリンターと、それで作製したモックアップ
本間ゴルフが導入する3Dプリンターと、それで作製したモックアップ 【拡大】
ものづくり現場のみならず家庭用も普及し始めた3Dプリンターだが、クラブ開発の現場ではどう活用されているのだろうか?

3Dプリンターとは立体物を表す3D CADなどの設計データを基に、立体モデルを製作する機械のこと。紙に印刷する従来のプリンターとは違い、スライスされた樹脂などの素材を1枚ずつ積み重ねることで立体物を作るのが基本だ。

クラブの設計において、今となっては欠かせないのが3D CAD。コンピュータに仮想の3Dモデルを作るシステムで、主にヘッドの開発に用いられている。そのデータを基に、3Dプリンターを使用して、ヘッドのモックアップを作っているメーカーが増えているのだ。

3Dプリンターは数万円のものから数千万円のものまで多種多様で、クラブメーカーがどのタイプを使っているかまでは分からないが、調べた中では、ミズノ、ヤマハ、プロギア、本間ゴルフ、キャスコ、ピン、ウイルソンといったメーカーが活用し、確認できなかったメーカーでも多くが使用していると思われる。

近年になって家庭用3Dプリンターが登場したことで話題となっているが、メーカーによっては古くから採用しているところもある。

「2008年ごろに3Dプリンターを導入しました。手作業だと、アイアンはモックアップを1本削り出すのに1日かかりますが、3Dモックなら、夕方からプリンターにかけて朝にはセットが出来上がるので時間の短縮が可能です。また、内部構造を画面上だけでなく実際に可視化することで、より深く検討や不具合の洗い出しが可能になります」(本間ゴルフ)

「弊社では2000年ごろから活用しています。クラブのすべてで使用し、開発段階による形状確認などで使用しています。金型を作製する前に試行錯誤することができるので、製品化の際の精度も上がります。いろいろと試せるので自由度も高くなります」(ミズノ)

3Dプリンターによるヘッド開発において、クラブデザイナーの山代谷哲男氏は次のように語る。「クラブという工業製品を作るうえで、3Dプリンターはメーカーにとって欠かせないものといえるでしょう。ヘッドのモックアップを研磨機などで作るのとは違い、3D CADデータを忠実に再現できる。しかも、製作時間やコストが大幅に短縮できるので、一石二鳥です」

長い目で見れば、コストダウンがクラブの価格ダウンにつながるかもしれない。ユーザーにとってみれば、そこに大きく期待したいところだ。

(本誌・保科信二郎)
文・編集部 ※2018年11月6日号「芝目八目」より

週刊パーゴルフ2018年11月6日号(2018年10月23日発売)の芝目八目では、以下のようなラインアップでゴルフ界の気になる最新情報をお届け中です。
●日本オープン最終日で採用されたプリファードライ 天気は悪くないように見えたが、適用する基準は?
●アマ連続予選通過タイ記録 安田祐香は高校生活でも負けず嫌い
●契約プロの鑑!?日本オープン制覇の稲森佑貴 バッグの中身は、ほぼほぼ2019年モデル
●男子の黄金世代を牽引する!日本オープン予選首位のアマはフィリピン帰りの桂川有人
●家庭用としても普及し始めた3Dプリンター 大手メーカーもクラブ開発に利用していた
●2019年改訂版ルールブックは図版も文章も「分かりやすさ」重視

スペシャル最新記事一覧

Pargolf Members

すでに会員の方はこちら

最新トピックス


アクセスランキング

ツアー・トーナメント

フォトギャラリー

トーナメントプロ公式サイト・ブログ