【GOLF、今この人に聞きたい!】 第124回:矢澤一良さん

 「トップアスリートが競争し、勝負がどっちに転ぶかというときの最後の一線が食べ物だと僕は思っています。最高の筋肉、最高のトレーナー、そして最高のメンタルはかなり研究され、実践されていますが、栄養に関してはまだまだ。ゴルフでいえば、ドライバーの飛距離が伸びる栄養素がある、という論文もあります」

 その栄養素とはホスファチジルセリン。大豆レシチンを酵素的に変換することによって作られ、ストレス耐性を増強する効果があるとされている。その論文ではホスファチジルセ リンを摂取したプロと摂取しないプロのグループを比較すると、前者のほうがドライバーの曲がり幅が小さく、平均飛距離が長かったと報告されている(※)。

 「例えば、イップスなんて自分で自分にストレスをかけてしまうから起こるものですよね。ストレスに強くなれば、イップスになる可能性も低くなるのではないでしょうか」

 サプリメントの使用で有意にドライバーの結果が改善するのなら、是が非でも試してみたい。でもそれはドーピングになったりしませんか?

 「禁止物質・禁止方法は世界アンチ・ドーピング機構(WADA)の禁止表で定められています。ホスファチジルセリンは禁止薬物ではありません」

 なるほど、分かりました。それでもやはりサプリメントの摂取に抵抗を感じる人は少なくない。

 「もちろん普通の食事だけで十分健康を維持できると主張する専門家もいます。しかし、私はあまりに教科書的すぎると思っています。ただ起きて寝るだけの生活をしているならば、それでいいかもしれません。しかし、ゴルフのようなスポーツをする人には、普通の食事だけでは取れない栄養素をサプリメントで補うべきだと私は考えています」

 確かに教科書どおり一日に350グラムの野菜を取るのは大変だ。またバラエティに富んだ食事を毎日バランスよく食べようと思ったら、時間的、経済的にもかなりの負担となる。だからサプリメントの出番というわけだ。しかし、世の中にはありとあらゆるサプリメントがあふれていて、何をどう選んだらよいか素人にはなかなか分かりづらい。そこで、矢澤さんにゴルファーがパフォーマンスを上げるためのサプリメントについて伺ってみた。

 「ぜひおすすめしたい栄養素は二つあります。それはDHAとアスタキサンチン。食事とサプリメント合わせてそれぞれ一日1000㎎、6㎎を取るとよいでしょう」

 まず一つ目のDHA。これは脳内にある神経伝達細胞であるシナプスの材料となるだけでなく、これらの細胞を活発化させる働きがあることが分かっている。また血液の粘りの原因となる中性脂肪や血中コレステロールを低下させるとともに、赤血球や細胞膜、血管壁を柔らかくする作用もあることから、血液を〝サラサラ〞にする効果がある。そのため動脈硬化や高血圧や高脂血症、脳卒中の予防が期待できる。

 「ゴルフは頭を使うスポーツですから、脳の働きがいい状態のほうがパフォーマンスが上がります。そのうえ、きちんとDHAを摂取していれば健康に長くゴルフができる可能性が高まりますね」

 ちなみに、サンマ一匹、サバ水煮缶3分の1程度にDHAが少なくとも1000㎎は含まれているというから、毎日の献立を少し見直すだけで簡単に摂取できそうだ。

※ a b Jäger R, Purpura M, Geiss K-R, Weiß M, Baumeister J, Amatulli F, Schröder L, Herwegen H (2007年12月).
“The eff ect of phosphatidylserine on golf performance”. International Society of Sports Nutrition 4 (1).



「ゴルフをする人は、食事だけでは取れない栄養素をサプリメントで補うべきです」

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