【GOLF、今この人に聞きたい!】 第122回:池田 信太郎さん

 レッスン動画は何をどう探しているのだろう。

 「誰か特定の人の動画に絞って見ているわけではないです。課題をキーワードとして検索バーに打ち込んで、リストに出てきたものを次々に見るという感じです」

 池田さんの好みとしては、時間が短く、ショットの動画中心なもの。音声はあまり聞かない。だから話がメインでショット動画が少しといった動画は、あまり好きではない。

 「最終的には必ず打ち方に答えがあると思っています。例えばバンカーでも、左足下がり、ツマ先下がりなどさまざまです。それぞれの状況で自分の中に答えがないと、いいスイングはできないと思ってるんです。なんならカンペみたいなのを用意して、打つ前に確認したいぐらいの気持ちです。一度スマホでカンペ集を用意してラウンド中にチェックするのを試しましたが、時間の制約もあるし、そんなにのんびりできないことに途中で気づいて諦めましたけど(笑)」

 練習中には何を考えているのか。

 「例えばアプローチの練習で50ヤードの看板を狙うとします。満席の練習場の中で、全力であの看板を狙っているのは僕だけだ、僕が一番集中してあの看板に当てようとしてる、という気持ちでやっています」

 バドミントン選手時代の練習は、同じきついことをするのなら、質の高い練習をしなければもったいないと考えていた。ゴルフはお金を払って仕事とは別に時間を割いて練習するため、なおさら集中しないと意味がない。ドライバーの練習も実戦をイメージして行う。18ホール中14回ドライバーを真っすぐ打ちたいと考えるなら、少なくとも練習場で14回連続でそれができなければコースではできない。だから、14回連続できちんと打てるまで帰らない。こんな考え方で練習に取り組んでいるという。

 現在池田さんはビジネスの世界に軸足を置いている。上場アパレル企業やオンライン旅行会社など複数の会社のプロジェクトに携わっている。最近は米国に本社を置く世界屈指の戦略コミュニケーション・コンサルティング企業である、フライシュマン・ヒラード社のシニアコンサルタントとしても活躍。

 「ビジネスでは、競技で培ってきた戦略設計のアプローチや分析力など、経験を生かせる部分があります」

 そんな池田さんは、2020東京オ リンピックの組織委員会の飲食戦略委員になっている。東京オリンピックで日本食の文化を世界の人たちに知ってもらうための戦略を立てる役割を担っている。飲食戦略委員として注力しているのはGAP(農業生産工程管理)認証済み農家数の増加。

 オリンピックの選手村ではGAP認証が取れた食材しか提供することができない。しかし、日本ではGAP認証が取れている農家は全体のわずか5.2%。スーパーマーケットに行くと農家の顔と名前を出して、このレタスはおいしい、安心・安全だという売り方をしているが、グローバルでは信頼できる情報として見られていない。安心・安全を担保するのはGAP認証で、実は訪日観光客にとっては、すごく重要な認証制度の一つである。

 「バドミントンでは充実した現役生活を送ることができました。もともと25歳くらいのころから、ずっと引退したら早く仕事がしたいと思っていたんです。ビジネスの世界で社会に貢献できるような人間になりたいと。いざビジネスの世界に足を踏み入れてみると、これが非常に面白くて」

 2008年は男子ダブルスで北京オリンピックに出場。12年は混合ダブルスでロンドンオリンピックに出場した元バドミントン日本代表の池田信太郎さん。

 わずか7カ月での100切りは、恵まれた運動神経によるものが大きいのでは、と先入観を持っていたが、それを実現させたのはオリンピアンならではの目標達成プロセスであった。

 近い将来、海外で日本食がブームではなく日常に定着するところまで浸透したとすれば、池田さんの尽力の賜物である。


池田信太郎さん(いけだ・しんたろう)
1980年12月27日生まれ、福岡県出身。筑波大学卒業後、日本ユニシスで競技を続け、2007年日本人男子初となる世界選手権でメダルを獲得。08年北京五輪では男子ダブルスに出場。09年にプロフェッショナル社員に変更。日本バドミントン界初のプロ選手となる。12年に混合ダブルスで潮田玲子さんとペアを組みロンドン五輪に出場。15年現役引退。ゴルフは、年内に80台を目指す。使用クラブはドライバーからパターまですべてテーラーメイド。「ドライバーはM4です。このドライバー、飛距離も出るし、すごく気に入っています」という。

その日の注意点を確認してスタート ラウンド時には、必ず注意すべき点を明確にしてプレーに臨むという池田さん。ちなみに、この写真のラウンド(千葉県・キングフィールズゴルフクラブ)で注意したのは、①ドライバーのフェアウェイキープ率を上げる、②攻める気持ちを抑えて確率の高い選択肢を試す、③番手選びを間違えないよう注意する、の3点。「スタート前にスマホを見て、その日の注意点を確認します。そしてそれがうまくいかなかった場合、失敗した原因を必ずメモします」という。


週刊パーゴルフ(2018年9月25日号)掲載 / 写真・鈴木健夫

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