【GOLF、今この人に聞きたい!】 第121回:小西清久さん

 「ひと言で申しますと、弊社は特殊な下地材のメーカーです。塗装をするには下地にプライマーというものを入れます。弊社のプライマーは水性で浸透性と弾性があり、これを使うとクラック(裂け目、ひび割れ)が入りません。一般的な工法では誰がやっても止まらなかった漏水が、一発で止まるんです」

 そういいながら小西さんはスマホで自社のフェイスブックのページを開いた。そこには顧客から承諾を得て、施工案件が過去3年分掲載されている。まず私の目に留まったのは、高級ホテルとオフィスビルから成る都心の大規模物件の地下4階と5階の駐車場。天井からも壁からも漏水していて、144台分の駐車スペースが使えていなかった。一区画月額料金8万円×台数分が何カ月も稼働しておらず、ただでさえビルの収益を圧迫している。無理やり使用に供し、補償問題に発展すれば、高級車が多い立地とあって損害額はさらに甚大である。すでにいくつかの事業者が施工を試みたが漏水は一向に止まらず。だが、バリュー工法で施工したところ漏水はぴたりと止まった。1年近くが経過した現在でも、まったく問題は起こっていないという。

 他にも例えば茨城県の国営ひたち海浜公園の大観覧車。これまでは毎年防錆工事をしていたが、7年前に小西さんが施工してからはずっと補修が不要な状態が維持されているそうだ。ではゴルフ場にはどんな問題があるのだろう。

 「よくあるのは、お風呂のお湯がなくなっていく問題ですね」

 目地が割れて浴槽が漏水してしまうと、常に湯を足し続ける必要があり、水道代とボイラー代が膨大となる。しかし、割れ目に小西さんの会社の特殊なプライマーを浸透固着させることでぴたりと止まる。

 またレストラン厨房の床の漏水もある。一般的な厨房の漏水工事は3日かかる。洗浄と乾燥で一日、1回目の塗布で一日、上塗りと乾燥でさらに一日。その間は厨房の稼働はできない。しかし、小西さんの会社のプライマーは水があっても油があってもそのまま塗ることができ、しかも30分で乾く。2回目を塗って30分乾かし、スリップ防止のための骨材をまけば工事完了。この方法ならば業務終了後から工事を始めて、翌朝には営業を開始できる。

 「ゴルフ場には特別な思い入れがあるんです。実は私、本気でプロゴルファーを目指していた時期があったんです」

 新卒で就職した自動車シート製造会社にはゴルフ好きが多くいた。初めて参加した社員旅行にはゴルフがあり、初ラウンドは石川県の片山津ゴルフ倶楽部。まったくの初心者だったがバーディが出たこともあり、一気にハマってしまった。会社のゴルフ部にはパープレーで回るダンディでおしゃれな先輩がいて、常に思いどおりのゴルフをしている様子に憧れを持ちながら練習に取り組んだ。初ラウンドから4年たった26歳のとき、思うところがあって毎日欠かさず練習場に通ったところ、3カ月後に突然球筋が変わった。

 「これならプロになれるんじゃないかと思って、全国ゴルフ場ガイドを片手に関西のゴルフ場に片っ端から電話をかけたんです。研修生にしてほしい、と」

 しかし、どのゴルフ場からも門前払い。唯一面談してくれたのは兵庫県の山の原ゴルフクラブ。支配人以下3人が対応してくれて諭された。26歳は中卒で研修生を始めた人が花開かずに断念する年齢、遅すぎるから諦めたほうがいい、と。

 「今思えばアホでしたね。当時は婚約者もいて、初めて相手の家に行ってあいさつするときも、プロゴルファー目指してます、なんていってましたから。だいぶ勘違いしてました(笑)」

「浴槽やレストランなどゴルフ場でのニーズは多岐にわたるんです」

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