森功 芝と冠 企業人たちのトーナメント 富士通レディース「40年目を迎えたチャリティの先駆け」(4)


日本のスポーツがビジネスとして成立するために、IT技術が果たせる役割は大きい

長引く不況を経て、日本の企業スポーツが下火となった昨今だが、富士通は一貫してスポーツを応援し続ける。ゴルフでは富士通レディースという大会を長年にわたり主催し、日本ゴルフ界のレジェンド、樋口久子と所属契約を交わしている。ゴルフだけにとどまらず、支援するスポーツは陸上、バスケ、サッカー、アメフトなど、実に多岐にわたる。しかし、それは企業イメージのアップだけではないビジネス的な側面も大いにあるという。

ITでスポーツ観戦はもっと盛り上がる

「ちょっと自慢をすると、富士通はけっこう日本のスポーツ界で人気があって、実績を残しているんです。例えばアメリカンフットボールは日本チャンピオン。何より自慢なのは、アメフト部の選手全員が富士通グループの社員だということです。スポーツ界にはプロ化の流れがあって、富士通も女子バスケットボールの一部だとか陸上部で契約社員になっている人もいるけど、競技を終えて引退すると富士通の社員として働くことができます」

 富士通会長の山本正已(63)は、インタビューの中で時折、相好を崩しながらこう話した。IT業界でゴルフ好きで知られる山本は、神奈川県の「程ヶ谷カントリー倶楽部」でオフィシャルハンディ11までいった腕前である。九州大学工学部出身で、かつて〈OASYS〉の開発を担ってきた技術系の企業トップとして、ゴルフ以外にも多くのスポーツに理解があり、かなり詳しい。それは、富士通という会社がビジネスとしてスポーツイベントに取り組んできた結果でもある。

「富士通は選手を応援する一方、スポーツをビジネスととらえてきました。意外に思われるかもしれませんが、IT企業はスポーツとのかかわりが深いのです。例えばプロバスケットボール『Bリーグ』のメーンスポンサーはソフトバンクで、うちはICT(情報通信技術)サポートをしている。最近はアリーナと呼ばれる体育館で、どう観客を楽しませて盛り上げるか、LEDを観客に渡し光の文字を照らしながら応援してもらうとか、その映像システム作りもお手伝いしていきます。アリーナのICTの設計なんかも富士通が請け負い、2020年の東京オリンピックに向け、今からいろんな会場で実証実験をやってるんです」

 山本の話に熱が入る。むろんITの活躍する競技はバスケットボールだけではない。

「体操競技だと、技のレベルが飛躍的に向上しているので、いったい何回転しているのか、人間の目ではなかなか追いかけられない。そこで、ITでそれを分析し、一定の自動採点ができないか、というのも一つのテーマで、そこを富士通がバックアップしています。3Dレーザーによる光の反射で選手の骨格の動きを瞬時に解析する。昨年10月、世界体操競技選手権大会で、むろん100パーセントではないけれども実際に使えるレベルまできた、という報告を受けています。そんなシステムをこれから東京オリンピックに向けてチューニングしていく。またフィギュアスケートの技術点のところにも、それを応用できるんじゃないかとも考えています。そうしたことを富士通のビジネスとして取り組んでいるわけです」

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