森功 芝と冠 企業人たちのトーナメント ANAオープン「世界一の路線、札幌-東京をゴルフで結ぶ」(5)

プロゴルファーとの契約はまさにWin-Win

プロ入り当初からずっと契約関係を続けている石川遼 写真・Getty Images
プロ入り当初からずっと契約関係を続けている石川遼 写真・Getty Images 【拡大】
「実は石川遼クンとの契約は私が担当しましてね。お父さんとも飲んだりしましたが、ポイントは足でした。スポーツ選手はみんなそうでしょうが、特にプロゴルファーは国内にしろ、海外にしろ、トーナメントを転戦しますので、移動手段を確保したい。うちは大概の国内路線があるし、国外であればスターアライアンスグループの便を使えます」

 飯塚がこう打ち明けてくれた。

「それで、スポンサードの仕方としてキャッシュだけじゃなく、座席の提供をしています。選手は必ず飛行機に乗るわけですから、それはキャッシュと同じ価値がある。しかも航空会社としてありがたいことに、遼クンクラスになると、スタッフや関係者の取り巻きがすごく多い。その人たちにみんなANA便を使っていただけますので、一度の遠征で遼クンの航空券代を取り戻せます。おまけに、その後もお客さまになっていただけますから」

 ANAは石川に年間3000万円分ほどの航空チケットを提供してきたが、チーム遼が何十人ものスタッフを引き連れて海外遠征すれば、あっという間に元が取れる。

 その石川は、ずっとANAオープンのホストプロを務めてきた。林越えの名物ホールにチャレンジする石川の姿を誰もが思い起こす。昨年の45回大会には、出場していない石川をイメージしたポスターが会場に張られていたほどだ。

「今はやや不調ですが、遼クンは圧倒的な人気があります。だから大会だけでなく、アマプロでもギャラリーが大勢集まるのです。そんなプロはいません。アマプロでは、うちの伊東社長が大会会長として遼クンと回ってきたのですが、伊東から『もしギャラリーにショットが当たったら大変だから、俺のときは何とかしろ』といわれましてね。そんなことも前代未聞でした」

 と、飯塚。

「かつて輪厚のANAオープンといえば、7回優勝したジャンボ尾崎のイメージでしたが、そこから遼クン、そして昨年は池田勇太クンが優勝して、感極まって涙を流していました。ジャンボを慕うせいか、勇太クンはANAを贔屓(ひいき)にしてくれていましてね。今は彼もうちでスポンサードしています」

 そうして45年の歴史を刻んできたANAオープン。会社が存在する以上、トーナメントを続けていく覚悟のようだ。

(敬称略・この項、了)
Written by Isao Mori
※週刊パーゴルフ(2018年2月6日号)掲載


森功(もり・いさお)
1961年生まれ、福岡県出身。確かな取材力と筆力で真相を抉るノンフィクション作家。2008年『ヤメ検』、09年『同和と銀行』(ともに月刊現代)で2年連続「編集者が選ぶ雑誌ジャーナリズム賞」を受賞。ゴルフ歴15年

※次回は9/14(金)更新予定


森功 芝と冠 企業人たちのトーナメント バックナンバーはコチラ!>>

関連記事一覧

スペシャル最新記事一覧

Pargolf Members

すでに会員の方はこちら

最新トピックス


アクセスランキング

ツアー・トーナメント

フォトギャラリー

トーナメントプロ公式サイト・ブログ