森功 芝と冠 企業人たちのトーナメント ファンケルクラシック「シニアツアー黄金期へ牽引した17年」(4)

女性も子供も楽しめる会場づくりにより、家族連れが占める割合が非常に高い

2018年の男子シニアツアーは19試合が行われる。00年の5試合しか競技がなかったころに比べれば大躍進だ。まさに黄金期といえるが、自社の主催トーナメントだけでなく、ツアー全体を盛り上げることを目指す池森にとっては道半ばだという。確かに、賞金の面ではファンケルクラシックに比肩し得る大会もあるが、観客数ではファンケルに遠く及ばない。なぜファンケルは常に突出した大会であり続けられるのか?

夏休みのイベントとして地元・裾野市に浸透

毎年多くの観客が詰めかける18番グリーンのスタンド
毎年多くの観客が詰めかける18番グリーンのスタンド 【拡大】
 会社が倒産しない限り、トーナメントを続けていく――。ファンケルクラシックを始めるに当たり、会長の池森賢二(80)は、そう宣言した。

「それは、途中でやめるなんてことにならないように、自分を縛りつける意味でそういったんです。それ以来、やらなきゃいけないという責任を感じるようになりましたね」

 当人は陽気にそういう。当初、ほとんど注目されなかったトーナメントは、2000年代半ばから好転した。会場の裾野カンツリー倶楽部に集まるギャラリーは2000人から増え続け、10年に2万人の大台に乗る。以来、ファンケルクラシックは、男女レギュラーツアーを含めてもずっとトップクラスの人気を維持していく。

 それは、まるで高齢化社会を迎えつつある日本の姿を映し出しているかのように見えなくもない。このころからゴルフ界でも、1980年代にレギュラーツアーで活躍したスター選手たちが50歳を迎え、次々とシニアツアーに参戦した。中嶋常幸や尾崎兄弟、倉本昌弘や室田淳たちがシニアツアーで優勝し、話題を集めていった。ファンケルクラシックでは、室田が06年と07年の大会を連覇、その次の08年、09年には、尾崎健夫が連続優勝を飾る。ファンケルクラシックの人気は、シニア時代の幕開けを思わせた。

 だが、これで日本のシニアトーナメントが盛り上がったかといえば、実は決してそうではなかった。池森は、こう苦笑する。

「第1回大会をスタートした当時からすると、シニアの試合数もかなり増えましたが、全体からいえば、もっと盛り上がれるのではないでしょうか。私も他のシニアを見に行くけど、けっこうな一流プレーヤーが出場しても、それだけで盛り上がるというものでもないようで、なかなかギャラリーが集まらないところも少なくありません」

 確かに、ファンケルクラシックのギャラリー数はシニアトーナメントにおいて群を抜いているが、では、なぜこれだけギャラリーを集められるのか。池森にそう尋ねてみた。

「特にうちはうまく裾野市にお住まいの方々を誘致できたからではないでしょうか。大会期間が夏休みだし、子供連れで遊びに行く感覚で、地元の方々が来てくれます。そのために子供の遊べる広場や奥さんにもうれしい化粧品の体験ブースなどを設け、奥さんと子供がそこで楽しむ一方で、ご主人は選手について回ってトーナメントを観戦する。そのため多くのギャラリーが、ご家族連れで来場されます」

 閑古鳥の鳴いていたトーナメント会場にギャラリーを呼び込むための工夫だったに違いないが、それが定着していったという。

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