推薦枠を使って女子プロ、中学生が続々登場!AbemaTVツアーの“チャレンジ”は吉と出るか?

“客寄せパンダ”ならぬ、くまモンとパチリ(写真・Getty Images)
“客寄せパンダ”ならぬ、くまモンとパチリ(写真・Getty Images) 【拡大】
6ストローク足りなかった。通算10オーバーは、出場144選手中128位で予選落ち。国内男子のAbemaTVツアーの開幕戦、Novil Cup(徳島県・JクラシックGC)で注目を集めた横峯さくらの成績だ。

それでも男子ツアーに女子としてただ一人参戦し、2日間を戦ったことで大会の注目度を上げることには大いに貢献した。2日目のギャラリー数は大会最多記録となる1631人。公式HPでも「AbemaTVツアーでは最も観客を集めるこの大会で、その存在感は男子プロに申し訳ないが出場選手中一番だった」とまで書かれていたほど。

2試合目の「i GolfShaper Challenge in 筑紫ヶ丘」(福岡県・筑紫ヶ丘GC)にも宮里美香が登場。初日を1アンダーで回り、女子選手で初めて男子ツアーでアンダーパーを記録した。2日目に崩れたものの「女子初の予選通過か!”」と2日にわたりネットニュースを盛り上げた。

さらに中学に入学したばかりの小暮春輝クンも出場。ティーチングプロの父・博則氏の指導の甲斐あって、中1ながら270ヤードの飛距離をものにしているという。

今年からツアーには「AbemaTVチャレンジャーズ」という出場枠が設けられた。これは同ツアー全体の冠スポンサーであるAbemaTVが「これは」という選手を選出し、大会主催者に打診。了承を得たうえで毎試合十数人の主催者推薦枠の一部を使って出場させるもの。

昨年まではワールドランキングにポイントが加算されない2日間の試合も多く、そのことに対する不満が選手の間から上がっていた。また、少ない賞金を上位に厚く下位に薄く配分していたため、苦しい生活を強いられる選手が少なくなかった。実力社会では仕方のないこととはいえ、選手間では「チャレンジ難民」なる造語まで生まれていたほどだ。

さらに大会会場も営業重視であるため、世界水準のトーナメントセッティングに持っていけない、という事情もあり、ツアーの将来を担う若手を育てるには、あまりにもお寒い環境だったわけだ。だが副会長だった大西久光氏の尽力もあり、AbemaTVがシーズンスポンサーとなったことで全試合ネットでのライブ中継が実現した。3日間大会が増え賞金額もアップと、ツアーの内容も充実してきている。

AbemaTVが狙うのはスマホを視聴している若年層の開拓。“客寄せパンダ”として女子選手や中学生を呼ぶのは、AbemaTVがそうしないと話題性に乏しいと判断したからに他ならない。

トーナメント中継が、いよいよインターネットテレビの時代に突入するかどうか、大きな試金石となるAbemaTVツアー。スポンサーであり、ネットテレビを運営するAbemaTVが“客寄せパンダ”など必要ない、と判断できたとき、そこでようやくツアーと日本のトーナメントが新時代に突入したと実感できるのではないか。

(日本ゴルフジャーナリスト協会副会長・小川 朗)

文・編集部 ※2018年5月15日号「芝目八目」より

週刊パーゴルフ2018年5月15日号(2018年4月24日発売)の芝目八目では、そのほかに以下のようなラインアップでゴルフ界の気になる最新情報をお届け中です。
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