【GOLF、今この人に聞きたい!】 第85回:丹波幸一さん

 「エイムポイントはグリーンのラインを読む技術です。ゴルファーは主に視覚からの情報に基づいてラインを読んでいます。しかしグリーンの濃淡や影などで目の錯覚が起きるため、なかなか正しく読めません。そのため見た目以外の部分も含めて、さらにできるだけ数値化してグリーンを読むことができればパット数を減らすことができるというわけです」

 海外ではセルジオ・ガルシア、ジャスティン・ローズ、ハンター・メイハン、アーニー・エルス、イアン・ポールターらの有名選手、女子ツアーでもリディア・コ、ステーシー・ルイスら世界ランキングトップの選手がエイムポイントのメソッドを実践している。日本では、16年に日本アマを制し、先日のトップ杯東海クラシックの初日を3位タイで発進して話題をさらった亀代順哉や、今年ステップ・アップ・ツアーで3勝している福山恵梨らが丹波さんの教え子だ。

 そんなことを聞いてしまっては、試してみないわけにはいかない。しかし、雑誌などでレッスンを公開することはない。理由は、いわゆる「また聞き」で間違った技術が広まってしまい、かえってゴルファーの混乱を招くのを避けたいからである。

 「私も経験があるんですよ。4スタンス理論を独学でかじって、自分はB2だと思い込んでいたんです。しかし、有資格者に診断してもらったところ実際は全然違ってました(笑)」

 同じような事象がエイムポイントでも起こっているそうだ。あるときエイムポイントの創設者であるマイク・スウィニー氏から丹波さんのところに連絡が来た。日本人プロが試合で指を立ててグリーンを読んでいる姿を見たが、やり方がまったく間違っている。一体あれは誰に教わったんだ、と。調べてみると専属キャディが米国で講習を受けていたが、プレーヤー自身が受講したわけではなかった。

 丹波さんはシーズン中はプロ野球の審判員で、しかも上級のクルーチーフのポジション。なぜティーチングプロの資格を持ち、パッティング技術を教えるようになったのか。

 「プロ野球の審判は、中途半端なメンタルではやっていけないんです。時にはスタジアムにいる5万人全員を敵に回して野次られる仕事です。5万人とケンカしてる人なんて、そうそういませんよ。でも、このプレッシャーをメンタルの技術を培うことで克服できたんです。これをゴルファーに教えていきたいと考えたのが理由です」

 時には審判の判定一つで試合結果だけでなく、選手のその後の人生の分かれ目になることもある。過去にはメジャーリーグのワールドシリーズで、審判の判定は正しかったが、一方のチームがどうしても納得しないという事件があった。この審判には1年間、FBIの警護がついたこともあるそうだ。情に流されないようにするため、現役選手とは普段ほとんど交流しない。遠征先で入ったレストランに選手がいたとしても目配せをする程度だという。審判で一番キツイ仕事は退場宣告。両チームからのプレッシャーもさることながら、内部的にも報告書の作成が必要になるなど、相当の覚悟が必要になる。しかし、審判として一流になるためには勇気を持ってルールに従った適切な判断をしなければならない。


「メンタルがとても重要です。いい結果をイメージするといい結果がついてきます」

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