森功 芝と冠 企業人たちのトーナメント ヨコハマタイヤ PRGRレディスカップ「トーナメントのロマンとリアリズム」(4)

男子のトーナメントをいつかは実現したい

 ゴルフ用品を扱うタイヤ・ゴムメーカーとして後発の横浜ゴムが始めたPRGRレディスカップは、2011年の第4回大会で東日本大震災に見舞われて中止するというハプニングがあったものの、今年第10回大会を終えた。トーナメントそのものについて、ゴルフ事業のためではなく、ゴルフ界への恩返しという発想でスタートしたと南雲は語ってきたが、この間、心境の変化はなかったか。

「当初、3年は続けなければ格好がつかないとぼんやりと考えていましたが、4回目のときに震災に遭ってやめるにやめられなくなりました。このトーナメントは、やたらプレーオフが多いんです。9回のうち、7回がプレーオフにもつれ込んで、今年で6年連続。今年からテレビ放送を録画ではなくライブにしたこともあって、臨場感があって盛り上がる半面、プレーオフになると地上波の中継が終わってしまう。そんな悩みもありました」

 南雲が、こう振り返った。

「そしてちょうど10回目という節目に当たりましたから、そろそろどうするか、この先のトーナメントについて考えなければならないと思っているところです。私はたまたまゴルフが好きだから、いろんな人間を説得し、資金を投じて始めたトーナメントですが、企業としてやる以上、単に好きだというだけではできませんからね」

 南雲には、男子トーナメントへの思い入れもあるという。

「いつかは男子プロのトーナメントをやりたいと考えてきました。個人的な思いとしてゴルフのスタートは男子ですから。プロギアの担当者も、できれば男子をやってほしいと思っているかもしれません。オーガスタなんかを見ると、あの華やかさには引かれますよね。しかしオーナー企業でもない以上、それだけでやっていいということにはなりません。検討はしましたが、男子はあまりにも人気がないし、プロアマをやってもアマチュアとプロではあまりにレベルが違いすぎて盛り上がらない。だから今のところ難しいですね」

 横浜ゴムの南雲忠信がゴルフにはまったのは40歳前だったという。平塚工場の開発部門に自転車で通いながら、毎日少しずつ練習した。おかげで財界屈指の腕前になり、オーガスタでもラウンドした経験がある。バーディを二つ取ったという。プロギア製品も評判がいい。PRGRレディスカップは、南雲のゴルフに対する情熱によって続けられてきたのは間違いない。ただし、そこには経営トップとしての冷めた目も欠かせない。

(敬称略・この項、了)
Written by Isao Mori
※週刊パーゴルフ(2017年5月30日号)掲載


森功(もり・いさお)
1961年生まれ、福岡県出身。確かな取材力と筆力で真相を抉るノンフィクション作家。2008年『ヤメ検』、09年『同和と銀行』(ともに月刊現代)で2年連続「編集者が選ぶ雑誌ジャーナリズム賞」を受賞。ゴルフ歴15年

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