森功 芝と冠 企業人たちのトーナメント ヨコハマタイヤ PRGRレディスカップ「トーナメントのロマンとリアリズム」(3)

最高の接待ツールであるプロアマだが、その利用法は企業によってさまざまだ

「ヨコハマタイヤゴルフトーナメント PRGRレディスカップ」は、現・横浜ゴム会長の南雲忠信が社長時代から肝いりの事業として続けてきた。ゴルフ用品を製造販売するメーカーでもあり、南雲自身も大のゴルフ好きだが「トーナメントで最も大切なのが、プロアマ大会であり、本戦前の前夜祭」だといいきる。社会やゴルフ界への貢献というロマンを語りつつ、リアリズムも隠さない南雲が考えるプロアマの存在意義とは?

地方創生に貢献する一方で、自治体と駆け引きも行う

表彰式で、今年度優勝者の全美貞と写真に収まる横浜ゴム会長・南雲忠信
表彰式で、今年度優勝者の全美貞と写真に収まる横浜ゴム会長・南雲忠信 【拡大】
 企業の冠がついたゴルフトーナメントの命運は、ときの経営トップ次第という側面がある。なかでも「PRGRレディスカップ」にとって、横浜ゴム会長の南雲忠信の存在はことのほか大きい。といってもオーナー会社ではない上場企業である以上、株主はもとよりステークホルダーと呼ばれる利害関係人が納得しなければ、スポンサーとしてトーナメントを開くことはできない。これも至極当たり前の理屈である。ただし一概にステークホルダーといっても、その概念や対象は限りなく広い。メインバンクをはじめとした債権者から顧客や取引先、監督官庁や税務当局、従業員やその家族、さらには関係地域にいたるまで、それらすべての利害がピタリと合致する。そんな事業なんてありえないし、あれば奇跡だ。つまりスポンサー事業で肝心なのはステークホルダーたちに向け、いかに意義あるスポーツイベントであるかをどれだけアピールできるか、そこに尽きる。

 タイヤメーカーとして後発のPRGRレディスカップにおいて、南雲が意識したポイントの一つが開催地域の要望だ。いまふうにいえば、地方創生、地域活性化である。

「尾崎(正直高知県)知事がすごく熱心でね。高知県といえば、いっときNHK大河ドラマの坂本龍馬ブームがあったけど、それ以外は正直パッとしない。むしろ東日本大震災以降、南海トラフ地震の危険性が叫ばれてイメージダウンしているようにも感じます。だからこそ、尾崎知事は一生懸命なのでしょう」

 南雲はそう語る。トーナメントの開催地となっている高知県の土佐カントリークラブについては、シーズン2戦目という3月の寒い時期なので温暖な場所として選んだという。九州・沖縄にはトーナメントの開催地が山ほどあるが、四国は大王製紙エリエール女子オープンのエリエールゴルフクラブ松山(愛媛県)やカシオワールドオープンのKochi黒潮カントリークラブ(高知県)くらいだ。トーナメントは地方創生に貢献する企業と位置付けたイメージ戦略に違いないのだろうが、やはりそこでも駆け引きがある。

「尾崎知事は『高知県を元気にするためにお願いします』と、今でも年に一度は会社を訪れ、そういいます。高知は県知事をはじめ、高知市、周辺の市町村もすごく協力的なんです。これほどローカルでフレンドリーにやってくれるところはほかにありません。僕が『ひょっとすると動く(開催地を変える)かもしれませんよ』なんていうもんだから余計にそうなんでしょうけど、『女性のギャラリーは無料で入れましょう』とか『駅からゴルフ場までの無料送迎バスを用意します』とインセンティブを持ってきてくれます」

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