【GOLF、今この人に聞きたい!】 第65回:廣川雅一さん

 最近は子供たちがアウトドアを卒業したこともあり、ゴールデンウイークや夏休みには夫人と二人で美食&ゴルフに泊りがけで出かけることが増えた。取引先とのゴルフも会長の代わりに参加することが増え、社内でもゴルフ好きの社員が集まって年に1回は4組ほどのコンペを開催。上手な人たちに迷惑をかけないように、と練習にも定期的に通うようになった。

 「スコアは始めたころのほうがよかったですね。最近飛ぶようになっちゃって(笑)。体に力が入っちゃって大けがすることが多いんですけど、やっぱりティショットが飛ぶとスカッとするんですよね」

 聞けばティショットは当たれば270、ランが出れば300ヤード転がっていくこともあるそうだ。

 「(ビッグドライブが)一日1回あれば十分です。スコアはみっちり練習している方にはかないませんから、何よりもご一緒した方と楽しく回れることを目指しています」

 雅一さんはラウンドするときには、もちろんスコッチグレインのゴルフシューズを履く。実物を拝見したところ、スパイクがプラスチックな点を除いては、トラディショナルかつ、かなりヘビーデューティーな代物だ。

 「これもグッドイヤー・ウェルト製法でできていますから、履くほどに足になじみます。すべて革なので重さがありますが、重いから疲れるということはないんです。ピッタリ足に合った靴なら、ある程度重たいほうが振り子の原理で足が前に出て楽なんですね」

 ここでグッドイヤー・ウェルト製法について、簡単に説明しておきたい。靴の製法には大きく分けて3種類ある。一つは接着剤でソールを貼りつける方法。大量生産されているほとんどの靴はこれだ。もう一つはインソールとアウトソールを一緒に縫い込むマッケイ製法。グッドイヤー・ウェルト製法は、インソールとアウトソールを別々に縫う。それぞれのソールの間にできた隙間には緩衝材を入れる。昔ながらの製法では緩衝材に練りコルクを使うが、長く使っていると硬くなり、また作業性も悪い。そこでスコッチグレインでは、この緩衝材に発泡スポンジを使っている。これは作業性も高く、劣化もしないうえ、軽くて反発がある。これがスコッチグレインの履き心地の秘密だという。

 「新品の状態では正直履き心地が硬いです。しかし、数回履くとインソールが自分の足の形に沈み込んでいきます。自分の足になじんだいい靴は、履くときにシュッと空気が抜ける音がするんです」

 ただし、長持ちさせるにはメンテナンスが欠かせない。雅一さんのゴルフシューズの底はイタリア製のオイルレザー。乾かないようにオイルを入れておかないと下糸が切れてしまい、口が開いてしまう。しかし、オイルを入れておけばまず切れる心配はないという。またレザーソールは吸湿性に優れている半面、雨の日の使用はお勧めできないそうだ。こう聞くと正直、ユーザーとしてはちょっと面倒くさい気もしてしまう……。

 「確かに使った後のお手入れが苦手な方にはちょっともったいないかもしれません。でも、それも含めて楽しんでいただけたらと思うんです」

 雅一さんが勧める手入れ方法は「モルトドレッシング」。靴の汚れを落とした後、水の代わりに布にウイスキーを湿らせて、油性のクリームを伸ばして磨く。これを繰り返すと独特の風合いが出るのだそうだ。靴磨きはたいてい玄関でやるものだが、冬は寒いし夏は暑い。それによいツヤを出すためには薄く塗って乾かす作業の繰り返しが必要なため、それなりに時間もかかる。それならば、リビングで好きなウイスキーを飲みながら靴磨きを楽しんではどうか、ということだ。

 「当社では今、(磨きに)スコッチウイスキーの〈ダルモア〉を使っています。シリーズによってですが、販売する際には足足丁寧に磨き上げています」

 スコッチグレインでは春秋のイベントシーズンに、東名阪の百貨店でモルトドレッシングの実演会を行っているそう。社長直々に靴のメンテナンス方法を教えてもらえる機会、今度訪ねてみることにしよう。

廣川雅一さん(ひろかわ・まさかず)
1956年生まれ、東京都出身。小学生のころから家業である靴製造を手伝い、75年ヒロカワ製靴入社。各現場での修業、営業を経験し、87年専務、2006年社長就任。遊び心で作った、パンダフェースのシューズも、同社直営店で販売して人気を博している。ゴルフの得意クラブは、21度と24度のユーティリティー。メーカーは、当然コラボしている「オノフ」である。

オノフ×スコッチグレインのオールレザーゴルフシューズ  「オノフさんからお声掛けいただきました。ただ当社で作ると、鋲の穴開けからすべて手作りですから、どうしてもコスト的には安くなりません。ですからお客さんは何を求めているのか、なぜ当社の靴なのかということを徹底的に詰めて開発しました」

 カラーはブラウンのみで、23.5〜27.0センチ(EE)。値段は6万6000円+税。[取扱店・銀座本店、大阪店]


週刊パーゴルフ(2017年6月13日号)掲載 / 写真・鈴木健夫

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