【GOLF、今この人に聞きたい!】 第10回:林家たい平さん





特別連載 第10回落語家
林家たい平さん
「噺家に上手も下手もなかりけり、行く先々の水に合わねば」
【聞き手】
山崎将志氏
(やまざき・まさし)
1971年生まれ、愛知県岡崎市出身。ビジネスコンサルタント。94年に東京大学経済学部経営学科を卒業。同年アクセンチュア入社。2003年に独立後、アジルパートナーズ、カジタクなど数社のベンチャー企業を開発。10年4月に出版された『残念な人の思考法』(日本経済新聞出版社)が34万部のベストセラーとなり、著書累計発行部数は100万部を超える。最新のハンディキャップは7.5




 今回のゲストは、落語家の林家たい平さん。長寿番組『笑点』の大喜利のコーナーでは、レギュラーを務めて10年以上になる。

 都内にあるたい平さんの事務所を訪れ、マネジャーに案内された応接室で座って待っていると、隣の部屋と隔てるのれんを片手でひょいっと開き、お盆を片手に持ったたい平さんが現れた。「今日はゴルフの話なので、グリーンの着物を着てきました」と笑いながら、われわれ取材陣に何と、たい平さん自らお茶を振る舞っていただいた。

 「ゴルフが面白いのは、仲間内でも世間でも見せない部分が垣間見られるところですね」

 たい平さんがゴルフを始めたのは、今から9年ほど前。小学生のころに父親の練習場通いにつき合っていったこともあったが、それ以降は縁がなかった。しかし、三遊亭円楽さんから「たいちゃん、そろそろゴルフやらなきゃ」と誘われ、「ナイキ」のフルセットを調達してコースデビューしたのがきっかけ。それ以来、落語家のゴルフ仲間と年に5〜6回ラウンドを楽しんでいるそう。

 早速、落語家の皆さんのゴルフを垣間見てみよう。

 「円楽師匠は、すごく研究熱心ですね」

 円楽さんは、世間のイメージどおりの理論派。こうしたらこうなる、と緻密な計算をして臨みながらも、ピリピリせず楽しみながら自分に挑戦するようなゴルフ。それでも時々熱くなって“力任せにフルスイング!”なんて、やんちゃな部分も見せるのが、円楽さんの特徴。

 「小遊三師匠は、どんなことがあっても崩れませんね」

 三遊亭小遊三さんは普段落語に対して、まあまあ何とかなるさ、という態度で向き合っているように見せている。しかし、ゴルフへの取り組み方は、どう見ても落語より真剣。小遊三さんは、山梨県卓球選手権での優勝経験もあるスポーツマン。スポーツの何たるかを卓球を通して習得しているからか、平常心を保つのがうまい、とたい平さんは分析する。

 たい平さんのゴルフはといえば、ぶっつけ本番タイプ。練習をする時間が取れないという事情もあるが、落語から学んだ確固たる信念がある。

 「100回の稽古より、お客さんの前で1回やるほうが楽しいんです」

 たい平さんはいわゆるリハーサルのような稽古は昔からほとんどせず、頭の中でイメージトレーニングをして本番に臨む。落語は本番のお客さまの前でどれだけ実力が出せるかという世界だから、観客の前のほうがいい意味で緊張感があり、頭がフル回転する。すると意外な発想やセリフが出てきたりすることがあり、それが面白さにつながるという。

 ゴルフも同じで細かいことをあれこれ悩まず、コースが求めていることに寄り添っていけば、最後はロングパットが見事に決まったりする。

 そんなぶっつけ本番、イチかバチかを自認するたい平さんの得意クラブは、何と4番アイアン。最も難しい部類に入るクラブなのに、コースでの使用頻度は最も高いという。その謎について尋ねると、たい平さんはこう答えた。

 「コースの練習場で、円楽師匠に4番アイアンうまいねぇ、すごいなぁ、って褒められたからです」

スペシャル最新記事一覧

Pargolf Members

すでに会員の方はこちら

最新トピックス


アクセスランキング

ツアー・トーナメント

フォトギャラリー

トーナメントプロ公式サイト・ブログ