取材の現場から

今年初戦で新型コロナ陽性が出た男子 プロスポーツの火を消さないためにゴルフだからこそできること

男子ツアー2021年初戦、東建ホームメイトカップは、第3ラウンドが中止となり、54ホールに短縮された。当初、理由は発熱したキム・キョンテが新型コロナ陽性だと判明したからと発表された。後になって、雨天のため、と訂正されることになる。だが、3日目にコースを完全にクローズして消毒作業も行ったことを考えれば、雨天も理由の一つかもしれないが、陽性者が出たから、という理由があったのも間違いない。

日本ゴルフツアー機構(JGTO)と東建コーポレーションの連名で出したリリースを、東建だけが訂正するという形になり、主管(JGTO)と主催者(東建)が別という、日本ツアー独特の体制が悪い形で出てしまった。

女子ツアーでも、4月の富士フイルム・スタジオアリス女子オープン初日のスタートが6時間半遅れている。これは中継スタッフの一人の陽性が判明したためで、やはりコース内の消毒作業が行われた。そして、連日のサスペンデッドの末に何とか54ホールを完遂している。

全国でワクチン接種が始まったとはいえ、そのスピードは遅々たるもの。変異株が増えてきていることもあり、どんなに注意しても、選手も含めた関係者に陽性反応が出る可能性は常にある。

社会全体として、クラスターを起こさないように注意しつつ、できる限り経済活動を止めないことが求められている。

昨年、次から次へと試合が中止になったのは、まず第一に、どんな対処をすればいいかが分からなかったから。その後は批判を恐れて試合がなかなか始まらず、開催してもシニアツアー以外は観客を入れることなくシーズンが終わった。

感染拡大が収まったわけではないのに、今年は試合が中止になっていないのは、対処法がある程度分かったからにほかならない。各大会はツアー関連5団体(JGA、PGA、JGTO、JLPGA、GTPA※)によるガイドラインに則って行われている。5月になると、バージョン5にガイドラインがアップデートされるとのことだが、さほど大きな変化はない見込み。22日に行われた5団体のミーティングでは、これまでの報告を基に、基本的な対策の徹底が確認されている。

選手だけでなく、大会には多くの人間がかかわっている。PCR検査をどこまで受けさせるかも試合によってまちまちだ。指揮系統も違うし、検査結果も絶対ではない。そんな中で、大会側が全体を掌握できないということが起きがちだ。それぞれが自分の考えで動き、連絡が滞る。それが対処の遅れにつながる。そうした事例が報告され、対応を徹底することが話された。

陽性判明後は、濃厚接触者の特定も、その後の行動も保健所の指示を受けなくてはならないが、ワクチン接種が始まったことで、その保健所が忙しい。

「ゴルフの試合に限ったことではないのですが、保健所からの連絡を待つしかないので」と、JGTO広報も口にしていた。だが、それ以前にできることはすべて大会側が一つになってやるしかない。「保健所以前に大会側でできることをやろう」という動きも、一部では出始めている。

4月25日から5月11日まで東京、大阪、兵庫、京都が3度目の緊急事態宣言の対象となり、この4都府県ではイベントに無観客開催要請が出されそうな雲行きだ。だが、ゴルフの試合では陽性者が出てもクラスターは発生していない。開催地も4都府県以外のほうが多い。その事実をはっきりと示し、気をつけるべきは徹底的に気をつけて、プロスポーツの火を消さない努力が必要だ。

そのためには、主催者も関係者も毎回バラバラなツアーを主管する各団体が全体をまとめ、踏ん張るしかない。屋外スポーツであるゴルフのよさと、徹底した感染防止策を主張すべきはする姿勢をはっきりと示すべきときだ。

(ゴルフジャーナリスト・小川淳子)

(※)日本ゴルフ協会、日本プロゴルフ協会、日本ゴルフツアー機構、日本女子プロゴルフ協会、日本ゴルフトーナメント振興協会
※週刊パーゴルフ2021年5月11・18日合併号「芝目八目」より

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