取材の現場から

JLPGA小林会長が表彰式すっぽかし!? 夕刊紙が報じるも最初から呼ばれていなかった

10月18日、富士通レディース最終日、スタートホールの1番は、試合とは別の緊張に包まれた。選手たちがスコアカードを受け取るテント周辺にいたはずの日本女子プロゴルフ協会(JLPGA)小林浩美会長の姿が消えていたからだ。

通常、テントには椅子が何脚か置かれ、ツアー、大会関係者が座っている。最終日には主催企業の役員やJLPGA理事らがいることも多く、スタートしていく選手を見送るのは、ごく当たり前の光景だ。

ただ、この日は「密を避けるためと主催者役員にベストポジションを確保するため」(大会関係者)に、4つの椅子がキープされていた。それ以外にも、この“VIP席”指定ではないが、椅子は複数用意されている状況だった。

ここで“事件”が起きたという噂は、大会後、すぐに聞こえてきた。内容を総合すると「小林会長は自分の席が用意されていないことに立腹して途中で帰ってしまった」というもの。その後、夕刊紙の日刊ゲンダイが「前代未聞『表彰式』ブチ切れすっぽかし」の見出しつきで当日の話を報じた。本誌にも同様の証言は寄せられている。

スタートホールでの出来事と表彰式にいなかったことに関して、まず、JLPGAからの回答。

「小林会長は最終日の第1組スタート前に会場に到着。最終組のスタートを待たずに会場を離れました。もともとこのスケジューリングで、主催者及び関係者の皆様へご挨拶をして会場を離れる予定でした。当初から表彰式の出席要請がありませんでした。弊協会で調査をしたところ、2017年大会から表彰式の出席要請がございません。表彰式は列席の要請がなければ出席することができません。しかし、今回は大会会長である富士通の時田隆仁社長へ、コロナ禍で開催が厳しい状況にもかかわらず、大会を開催してくださった感謝の気持ちを直接、大会最終日の朝、お伝えいたしました。また、大会事務局長へ、お先に会場を離れることを申し上げ、御承諾いただきました」

席がないことに立腹して帰ったことの真偽は?

「その件は把握していません。ただ席がないから腹を立てたことは事実ではありません」(原文ママ)

一方、富士通からは「このことに関して大会事務局としてコメントはありません」という返答が返ってきたのみだ。

公式戦以外は企業が主催者で、ツアーはこれを“公認”する立場。表彰式を行うのも主催者で、ツアーの人間は依頼されて出席するのが慣例となっている。昨年実績では日本ゴルフ協会主催の日本女子オープンを含む合計5試合は、主催者から小林会長への出席要請がなく、それ以外の要請のあった試合はすべて出席している(JLPGA)。前述のように、今大会は最初から出席を要請されておらず、立腹して表彰式を“すっぽかした”というのは事実ではない。

一方で気になるのは、小林会長がコースを離れる前に「権利侵害の話をした」という点だ。JLPGAは、その話をしたことは事実だと認めているが、内容については守秘義務を理由に答えていない。富士通側も前述のようにノーコメント。しかし、インターネット放送に関することのようだ。同大会は大会3日間を通じてインターネットでのライブ中継を行っている。

浮き彫りになるのは、ツアーと主催者側のコミュニケーションが円滑とはいえないということだ。ツアーと主催者の間に入る代理店や運営関係者とも同様。長年、ツアー運営にかかわるある関係者のこんな言葉が印象に残る。

「(小林会長は)コースに来ても大会本部などには来ないので、何がどうなっているのか分からない」

この出来事が、今後のツアーに小さな、だが深い傷にならないことを祈るばかりだ。

(ゴルフジャーナリスト・小川淳子)
※週刊パーゴルフ2020年12月1日号「芝目八目」より

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