取材の現場から

GOLF Net TV連動「深堀圭一郎 KeyTALK」 第12回 丸山茂樹⑥

「大切なのは自分の長所を生かすこと…今後も男子ツアーを盛り上げることに注力! 」

深堀圭一郎が、ゴルファー仲間をゲストに招き、
ツアーでの出来事から普段聞けないような話までぶっちゃけトークを展開する「深堀圭一郎 KeyTALK」。
プロゴルファーの素顔に迫るこの番組は、GOLF Net TVで配信しています!
配信開始1周年記念の特別ゲストとして、丸山茂樹が来てくれました。
40年来の親友とのトークも今回が最終回。
日本ツアーの代表的選手、今平周吾、石川遼について、そして今後の自身の今後について語ってくれました。

(今平)周吾は「ズル賢さ」「セコさ」が必要だと思う (丸山)

深堀 日本の男子ツアーのことなど、色々聞いてみたいことがあるんだけど、まずは2年連続で賞金王に輝いた(今平)周吾についてはどう思う?

丸山 とてもボールストライカーというか「ボールをコントロールする技術を持っている」と思う。でも「ズル賢さ」はない。ゴルフは、真っすぐ打つ能力+コースマネジメント…自分が置かれた状況の中で「どこに打つか」のセコさが必要だと思う。攻撃だけではない防御。実は日本人が一番下手なのが防御なんだよね。汚い球でも格好良くなくても「泥臭く行ける何か」もだしね。大切なのは結果だから、そこを極めるために周吾は自分自身を1回見詰め直す必要があると思う。例えば『フジサンケイ』の最終日の17番、スプーンで打った球がグリーンオーバーして斜面に行ったシーンがあったわけ。あの時点でダメだと思う。もう少し違う攻め方をするべき。飛距離のコントロール性が足りないし、逆に「セコく打っていこう」みたいな判断もなかった。

深堀 周吾は以前「海外に行くと身体が上手く動かない」と言っていたんだけど、その辺はどう思う?

丸山 まずは移動だろうね。もう少し早めに準備して入る必要がある。それから飛距離を求めない。今の飛距離で「自分がどうやれるか」を追求していく方がいいと思う。周吾はすでに300ヤード近く飛ぶからね。330ヤードを目指すのは無理があって、そこに行こうと思う方がリスキー。むしろ、まだアプローチとパターのクオリティが全然低い。それからコースマネジメント…日本では通用してもアメリカで通じない部分をもっと知る必要がある。今の若い選手は「自分のことが見えていない」ケースが多い。情報がたくさんあるのだから、データ的にも自分のことを分析していくべきだと思う。


(石川)遼は「良かった時の自分をもう一度思い出して戦う」のがいい (丸山)

深堀 遼(石川選手)については、どんな風に感じる?

丸山 時代に乗ろうとし過ぎている気がする。今やっているルーティンも僕には理解できない。むしろ、遼の「思い切りやリズムの良さ」を取り戻した方がいいと思うけどね。ショートゲームやパターなどは、非常に高いレベルでやれているから。やはり、少し自分を見失っているのではないかな…と。

深堀 遼は「自分の長所が見つけられなくてPGAツアーで苦労した」と言っていたんだよね。

丸山 原因はよく分かっていると思うな。とにかく、自分の長所を生かすことが大事。そこを意識しておかないと、アメリカに挑戦する意味はゼロだと感じる。

深堀 遼の場合、今は何を意識するべきだと思う?

丸山 新しいものに挑戦しない…。そこではなくて「良かった時の自分をもう一度思い出して戦う」のがいいと思うけど。求めているものが逆行しているような気がするんだよね。18歳~20歳ぐらいの時の石川遼のイメージを持つのがいいと思う。例えば、(松山)英樹は、デビューしてから7年間で変わったのは思い切り振っている点だけ。スイングはほとんど一貫性のもので、向上したのはアプローチのクオリティ。自分の良い所を分かっている。とはいえ、ドライバーの探求心も忘れてはいないから、近年はその分だけ少しショットが乱調になっている気もするけどね。個人的には、飛距離ではなくクオリティを重視していた3~4年前の方が良かったと思う。10ヤード落としてもバランスがいいゴルフの方が勝てる。


マルには次世代を見据え今後益々活躍して欲しい (深堀)

深堀 最後に今後、丸山茂樹が「どうなっていきたいか」について聞きたいな。マルがPGAツアーで戦っている姿を見てゴルフを始めた選手も数多くいるし、ゴルフ界を牽引して行く役割もあると思うんだけど。遼や周吾など、若い選手に「言いにくいこと」をしっかり伝えてくれるし、そういう点もありがたいと感じる。

丸山 特別「ご意見番になろう」とは思っていないけど、ひとつでも「ゴルフ界のために貢献できること」を日々考えて行動したいよね。現状の男子ツアーを見て「これではいけない」と思うから。アマチュアゴルファーの方々には、ぜひ男子プロの良さも感じて欲しい。やはり、300ヤードの世界は凄いものだし、ひとつでも多くの試合を復活させて男子ツアーを盛り上げていきたいよね。それは、自分が協会の会長になるという話ではなくてね。トップに立つ人は、ビジネスセンスがあって語学が堪能で、善し悪しを見極められる人だと思う。そういう方が頂点にいて、我々ゴルファーが周りで力になる時代が来ると感じるよね。

深堀 『丸山茂樹ジュニアファンデーション』を開催してジュニア育成にも力を入れているし、マルには次世代を見据え今後益々活躍して欲しいな。今回は楽しい話をありがとうございました。


■プロフィール
・深堀圭一郎/ふかぼり・けいいちろう
1968年10月9日生まれ、東京都出身。1992年にプロへ転向。ツアー通算8勝。ラテール・エンタプライズ所属。

・丸山茂樹/まるやま・しげき
1969年9月12日生まれ、千葉県出身。世界屈指のアプローチを技術を武器に、PGAツアーで3勝を挙げている日本ゴルフ界のレジェンド。現在は『丸山茂樹ジュニアファンデーション』の代表理事として、ジュニア育成にも尽力。ゴルフ日本代表のヘッドコーチを務め、2021年の『東京五輪』でもチームを率いる。日本ツアー通算10勝、セガサミーホールディングス所属。
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