取材の現場から

GOLF Net TV連動「深堀圭一郎 KeyTALK」 第10回 谷原秀人③

「全英やマスターズで見えた課題…そしてフェードとドローを打ち分けるスイングへ進化!」

深堀圭一郎が、ゴルファー仲間をゲストに招き、
ツアーでの出来事から普段聞けないような話までぶっちゃけトークを展開する「深堀圭一郎 KeyTALK」。
プロゴルファーの素顔に迫るこの番組は、GOLF Net TVで配信しています!
第10回のゲスト・谷原秀人の3回目のトークです。


2005年の米ツアー挑戦。気持ち良く打てたことが1回もありませんでした (谷原)

深堀 秀人は2004年にPGAツアーのQTに挑戦したよね。アメリカに行きたい気持ちが出てきた?

谷原 そうですね。でも、やれる自信はありませんでした。考えていたのは「上手くなりたい」という一点だけで……。レベルが高い所でプレーすれば「ゴルフが上手くなれる」と思ったんです。

深堀 2005年はアメリカに挑戦しながら、日本の試合にも出場していた。でも、PGAは20試合中14試合で予選落ち……。日本での成績を考えたら不本意だと思うけど。

谷原 アメリカの1年は本当にヤバかったですね。調子が一度も良くならなくて……。環境など要因は色々あると思うのですが、気持ち良く打てたことが1回もありませんでした。

深堀 日本選手が参戦すると飛距離やパワーの差を感じる部分もあったと思うけど。

谷原 パワーは感じました。僕らがドライバーやスプーンでグリーンに行くかどうかの距離をアイアンで普通に乗せちゃうので……。でも、(PGAツアー通算3勝の)丸山(茂樹)さんなどもやれていたので、「そこじゃない、小技なんだろうな」とも感じました。

欧州ツアーに出場していても、未だに遅いグリーンが読めないんです……(谷原)

深堀 2007年にマスターズへ出場するきっかけは、2005年の全英オープンだと思うけど、全英では初日から徐々に順位を上げて、5位になったよね。あの時はどんな感じだった?

谷原 天気が良かったのでグリーンが速くなったおかげだと思います。僕はヨーロピアンツアーに出場していても、未だに遅いグリーンが読めないんです。

深堀 全英の5位は大きなターニングポイントだったと思うけど、日本に戻ってから取り組んだ課題などはある?

谷原 スイングですね。例えば、2007年にマスターズに行って、ティショットがフェードなのが本当にダメだったんです。左ドッグレッグの右傾斜ばかりで地獄でした。そこで、真っすぐからドローも必要だと感じたんです。今は両方打てますけど、感性的には徐々に落ちていると思いますね。

深堀 2005年にPGAで苦しんだ後、翌年は日本に戻ってきて2勝して賞金ランキングも2位になっているよね。

谷原 でも、あの時は怪我をして夏以降は5試合ぐらい出場していないんです。全米プロに参戦して背中を痛めて、そこからダメになりましたね。夏の時点で獲得賞金が1億円を超えていたので、賞金王も見えてはいたのですが……。


秀人は切り替えが上手いし、世界に出て改めて日本の良い部分を知ったよね (深堀)

深堀 2010年からは目がアジアや欧州などにも向き始めた?

谷原 仲が良かった平塚(哲二)さんが行っていたので、それもあったと思います。

深堀 そして、2013年に3年振りに『三井住友VISA太平洋マスターズ』で通算10勝目を上げて、2016年には3勝している。年間3勝はキャリア最高の勝利数だよね。なかでも『日本プロゴルフ選手権 日清カップヌードル杯』の大逆転劇は凄かった。

谷原 諦めの悪さですかね。

深堀 でも、諦めの悪さは何かを成し遂げる時には凄く大事だよね。

谷原 あの時は残り4ホールで首位と5打差で……。このまま終わったら「面白くないな」と思い、少しでも近づこうと考えました。

深堀 秀人は、切り替えが上手いよね。しかも、この年のスタッツ(ユニシスポイント)を見ると凄い。トータルで1位だし、平均ストローク2位、平均パット3位、パーキープ率2位……全部高レベル。ゴルフの力があるのが分かる。2017年頃からは欧州ツアーに本格参戦しているよね。

谷原 欧州ツアーは選手がみんなタフですね。だいたい夜の飛行機で移動して、朝着いたら普通にスーツケースとゴルフバッグを持ってゴルフ場へ行って練習しますから。ジャスティン・ローズなどの上位選手も、バッグを自分で引っ張ってきます。ホテルもヨーロッパは高いですね。オフィシャルの宿泊施設でも1泊3~4万円は当たり前ですから。

深堀 欧州ツアーに行く魅力はどこにあったの?

谷原 まず、アメリカと違って日本と同じぐらいコースが狭いんです。しかもハザードが数多くありますから、飛んで曲がらない選手が多い。ですから、ここでプレーすれば「絶対にドライバーが上手くなる」と思いました。

深堀 実際に自分も飛んで曲がらないようになった?

谷原 それは分からないですけど(笑)。感覚ですかね……。狭いと思って打つしかない!みたいな。それに徐々に慣れてくるため「嫌だな~」と感じて刻むことがなくなります。それから、プロアマなども日本とは全然違いますね。アップダウンが強いコース以外は、みんな手引きで、お客さんも勝手にスタートするみたいな……。この点は、逆に「日本は凄いんだ」と思いました。

深堀 世界に出て「改めて日本の良い部分を知る」みたいな感じだね。
次回も引き続き、秀人にコロナ禍におけるYouTubeでの配信、ジュニアの育成活動、そして今後目指していることなどについて聞いていきます。


~ 次回に続く ~


■プロフィール
・深堀圭一郎/ふかぼり・けいいちろう
1968年10月9日生まれ、東京都出身。1992年にプロへ転向。ツアー通算8勝。ラテール・エンタプライズ所属。

・谷原秀人/たにはら・ひでと
1978年11月16日生まれ、広島県出身。国内ツアー14勝。全英オープン5位(2006年)、マスターズに2度出場した経験などを持つ。2018年からは欧州ツアーで活躍。2020年は国内ツアーへの復帰を宣言。国際スポーツ振興協会所属
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