取材の現場から

GOLF Net TV連動「深堀圭一郎 KeyTALK」 第8回 時松隆光②

「節約のため練習ラウンドなしで挑んだチャレンジツアー…これが初優勝の原動力に!」

深堀圭一郎が、ゴルファー仲間をゲストに招き、
ツアーでの出来事から普段聞けないような話までぶっちゃけトークを展開する「深堀圭一郎 KeyTALK」。
プロゴルファーの素顔に迫るこの番組は、GOLF Net TVで配信しています!
第8回のゲスト・時松隆光、第2回目はプロ入り後のお話です。


経費節約のため、チャレンジツアーでは練習ラウンドをしませんでした (時松)

深堀 ゲンちゃんは、いつプロになろうと思ったの?

時松 高校3年生の時ですね。18歳で研修生になりました。しかし、チャレンジツアー時代が4~5年ぐらい続いて…。レギュラーツアーにも毎年2~3試合出場させてもらっていましたが、予選落ちが多く壁に当たっていたと思います。でも「いつかチャンスは来る」という気持ちでプレーしていました。

深堀 チャレンジツアー時代は、資金面でも辛かった部分はある?

時松 そうですね、両親にサポートしてもらっていました。僕は福岡県に住んでいたのですが、九州は試合があまりなかったので、移動の飛行機、レンタカー、さらにホテル費用なども大変でした。そのためチャレンジツアーでは1回も練習ラウンドをしていません。

深堀 それは1日分の宿泊費用を減らすために?

時松 はい、プレー代も節約していました。

深堀 それじゃあ、前の日はコースに行って、ラウンドしないでパッティングなどをやる感じ?

時松 昼過ぎぐらいに行き、パターとショットの練習をしてメモを買い、翌日大会を迎える感じです。

深堀 そうすると初めてのコースも多かったと思うけど、初日から出遅れたら優勝には届きにくい。でも、知らないコースだと無理に攻められないから辛いとよね。初日はどう考えていたの?

時松 毎年同じコースで開催される大会はネットで優勝スコアを見て、それをターゲットにしていました。

深堀 えらいね! 何となく練習ラウンドをプレーしている人に聞いて欲しいな。ゲンちゃんは、一つのラウンドの大切さを知っていると思う。

一気に賞金を稼いだ時、両親がめちゃくちゃ銀行に行ってました……(時松)

深堀 飛躍した年は2016年で、チャレンジツアーで勝利して、続いてレギュラーツアーの『ダンロップ・スリクソン福島オープン』でも初優勝したよね。当時は、何か強くなる要因があったの?

時松 チャレンジツアーで初優勝したのが『ジャパンクリエイトチャレンジin福岡雷山』だったと思います。実は、その前年に初めてPGAのプロテストを受けたんです。それ以前は研修生でした。プロテストはトップ合格できて、その後に『日本プロ』があったんですね。ペアリングが、尾崎直道さんと伊澤利光さん。何もなかったのですが「超一流の方達とプレーできる」ことが自信になりました。この翌々週が『ダンロップ・スリクソン福島オープン』で、プレー内容はピカイチに良かったですね。パターが面白いように入って、ショットのリズムも良くなると言いますか…振り返ってみると「ゾーンに入る感覚」だと思いました。

深堀 その後も『ネスレマッチプレーレクサス杯』で優勝するなど、1ヵ月で3勝を挙げたじゃない?

時松 マッチプレーは負けて当たり前の気持ちでした。それが良い方向に働いたのかも知れません。

深堀 3勝もすると、周囲からは「お金持ちになったね」みたいなことも言われたでしょ。自分自身は変わらなかった?

時松 自分は変わってないです。ただし、両親がめちゃめちゃ銀行に行っていました(笑)。僕は税金のことは分かりませんが、会社設立みたいな話で忙しそうでしたね。

調子がよくないときに道具を変えて復調することってあるよね(深堀)

深堀 順調にレギュラーツアーでキャリアを積む中、2019年は最初調子が悪かったよね。道具を変えて復調の兆しが見えた感じ?

時松 はい、手嶋多一さんから「良かったら試してみて」という勧めもあって、ドライバーを変えたんです。そこからミズノさんのドライバーを使わせて頂くようになり、その週の『ANAオープン』の時にボールも変えました。これが良かったと思います。

深堀 『ANAオープン』で、プレーオフを戦ったのが勇太(池田選手)と周吾(今平選手)だったね。勇太に負けた時は悔しかった?

時松 あの時、僕はプレーオフの1ホール目のセカンドショットがベタピンで、ギャラリーのみなさんが拍手してくれたんです。今平さんは2段グリーンの下にボールが戻ってきて…これはイケるかもと思いました。しかし、最後に打った勇太さんが、僕の内側に着けてきたんです。「こういう所が違うんだな」と痛感しました。

深堀 勇太は勝負師だから。プレーオフの後は、コミュニケーションを取れるようになったの?

時松 負けた翌々週に『東海クラシック』がありまして、練習ラウンドの時、ティグラウンドに勇太さんがいて…。僕的には勇太さんの後ろを回ろうと思っていたのですが、キャディさんに「勉強させてもらいなさい」と言われて…。「ご一緒させてもらえませんか」と聞いたら「おお、入っていいよ!」と言って頂いたんです。それからは、食事にも誘って頂けるようになりました。最初は怖いイメージしかなかったんですけど、優しく接して頂いていますね。

深堀 勇太は面倒見がいいよね。自分で率先して動くしね。

次回も引き続き、ゲンちゃんにPGAツアーに出場した時のことやトッププレーヤー達の印象、さらに世界で戦うために必要なことなどを聞いていきます。



~ 次回に続く ~


■プロフィール
・深堀圭一郎/ふかぼり・けいいちろう
1968年10月9日生まれ、東京都出身。1992年にプロへ転向。ツアー通算8勝。ラテール・エンタプライズ所属。

・時松隆光/ときまつ・りゅうこう
1993年9月7日生まれ、福岡県出身。子供の頃に心臓の手術を受け、元気になって欲しいという父親の勧めでゴルフを始める。2012年にプロへ転向。ベースボールグリップを活かした独特の打法で、2016年に『ダンロップ・スリクソン福島オープン』でツアー初優勝。2020年は選手会長に就任し重責も担っている。ツアー通算3勝。筑紫ヶ丘GC所属。
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