取材の現場から

「ゼロからのスタート」純白のウェアに込めた決意 鈴木愛が笑顔の女王戴冠

<LPGAツアーチャンピオンシップ リコーカップ 最終日◇1日◇宮崎CC(宮崎県)◇6535ヤード・パー72)>

笑顔がはじける2度目の賞金女王戴冠。最終日に「68」をマークした鈴木愛が、トータル5アンダーの5位タイでシーズンを終えた。追いすがる賞金ランキング2位の渋野日向子、3位の申ジエ(韓国)を振り切り、堂々のマネークイーンに輝いた。

3日目までは得意のパッティングも決まらず、スコアが出せずに苦しい表情の連続だったが、「きょう1日は報われた。練習してきたことが発揮できた」と、努力のすえに勝ち取った栄冠を心から喜んだ。「最初の女王から2年後に取れるのは本当に光栄です。神様が助けてくれたのかな」と、安堵の表情を浮かべた。

前日は最後の1人、真っ暗になるまでパッティング練習。「やることはやった」と、緊張しながら眠りについた。目覚めた最終日の朝。鈴木はある決意を胸にコース入りした。「まっさらな気持ちでやりたかった。真っ白にはゼロからという意味があると思って、真っ白なウェアにしました」。上下純白のウェアに身を包んだ。

「きょうは新しいスタートだと思っていました。新しく入るためにまっさらと、最近は白い服を着たときは勝率が高かった」と、ゲンを担いでの最終決戦入り。それほど苦しかった戦いのなかでも、「きょうは自分がいいプレーをすればいいと思っていた。ほかの人に優勝してもらえばいいと言っていましたが、本当は自分にも勝つチャンスはあると思っていた」。前日までは苦しい胸の内を隠すように質問をはぐらかしていたが、新たなスタートを切った最終日は、強気な鈴木愛に戻った。

「前回よりも長い4日間でした」と、初戴冠の2017年よりも気持ちの余裕はなかった。怒とうの3連勝を含め7勝を挙げた年の最後に、苦しさ倍増の女王レースのフィナーレ。優勝こそ逃したが、三つ巴の闘いに終止符を打った。最終日の「68」は貫禄のスコア。「山あり谷ありの1年だった。交通事故にもあったし、ケガもありました。いいことも悪いこともありました」としたが、最後にご褒美が待っていた。

「自国開催のオリンピックに出るチャンスはもうないと思う」と、来年の東京五輪も視野に入れて、「海外で出られる試合にももっと出たい」と、すでに20年の目標は明確。「とりあえず遊びに行きたい」と笑ったが、純白のウェアに込めた“新たなスタート”の気持ちは途切れることなく、来シーズンにつながっている。(文・高桑均)

記事提供:ALBA.Net(GGMグループ)

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