取材の現場から

“小さな巨人”比嘉一貴 大会記録を4打更新する-26アンダーでツアー初V!

<RIZAP KBCオーガスタ 最終日◇1日◇芥屋GC(福岡県)◇7103ヤード・パー72>

最終日を1イーグル・6バーディ・1ボギーの「66」でまとめ、大会新記録となるトータル26アンダーでツアー初優勝を飾った比嘉一貴。前日、「バーディが先行すればチャンスがある」と語っていたが、その宣言どおり、スタートの1番パー4で7メートルのバーディパットを沈めると、一度も首位を譲ることなく逃げ切った。ホールアウト後に父親である淳さんの顔を見た瞬間、思わず涙があふれてきたものの、ラウンド中は感情を表に出さない徹底ぶりで、プレッシャーを感じているようにはまったく見えなかった。

「アマチュア時代から優勝よりも2位が多くて、日本タイトルすべてで2位になったことがあるんです。最後まで何があるのか分からない経験を今までたくさんしてきたので4日間すべてを終えるまでは何も考えず、そのホールのことだけを考えていました」

たしかに、日本オープンでローアマのタイトルをとっているものの、日本アマ、日本学生、日本ジュニアで2位に甘んじた経験がある。勝ったと思った瞬間に隙が生まれ、逆転を喫した苦い経験がプロになって生きた。よけいなことを考えず、大会記録を更新することだけに集中してプレーできたからだ。

比嘉の身長は158センチで登録されているが、1999年にJGTOが発足して以来、身長が150センチ台のツアー優勝者は一人もいない。アマチュアの試合で米国に行った際に、2メートル近い選手が自分よりも50ヤード前に飛ばす姿を見て、素直にうらやましいと思った。しかし、フィジカルで戦おうとはせず、自分のゴルフを見つめ直して、飛距離じゃない部分で戦うことを決意した。

「とにかく自分のレベルをすべてアップすることを考えました。飛距離も300ヤード近くまでは伸ばせるでしょうし、それでフェアウェイをキープできれば、50ヤード先にいく選手と互角になれますからね」

もちろん、アイアンショットやショートゲームの精度を上げることにも尽力した。その積み重ねが今回、形となって花開いたのだ。ギャラリースタンドからは“小さい”ということばも聞こえてきたが、そんなことは気にしない。「身長などいろいろな悩みがあると思いますが、そういう人たちを勇気づけられたらいいなと思います」と明るく前を向く。

「将来的にはPGAツアーも考えますが、今は欧州ツアーで戦ってみたいですね。色々な国で戦って、自分のゴルフがどこの国に合っているのかを知りたいです」

国内ツアーと同じように、いつかは海外でも“小さな巨人”パワーをぜひとも見せつけてほしい。(文・山西英希)

記事提供:ALBA.Net(GGMグループ)

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