取材の現場から

これぞ石川遼! 劇的優勝に涙「こんなに興奮するんだと思った」

<日本プロゴルフ選手権大会 最終ラウンド◇7日◇いぶすきゴルフクラブ(鹿児島県)◇7150ヤード・パー70>

「信じられません」。記者会見の席に着くと同時に、思わずそんな言葉が飛び出した。首位タイで予選ラウンドを終えて臨んだ36ホールの長丁場。第3ラウンドはバーディスタートを切ったが、「途中で分からなくなった」とアイアンショットが乱れて、4番からボギー・ダブルボギー・ダブルボギーと立て続けにスコアを落とした。

一時は20位前後まで後退し、2016年以来の優勝はないかに思われた。ところが、最終ラウンドで転機が訪れる。ハン・ジュンゴン(韓国)をはじめ、上位勢がスコアを伸ばしあぐねる中、単独首位を走るジュンゴンに2打差に迫って迎えた17番パー3。ジュンゴンのティショットが、グリーンからこぼれて池に落ちた。

「それまでは(ジュンゴンに)スキというスキも無かったし、まったく信じられなくて。いきなり心拍数がガンと上がった」。諦めてはいなかったものの、一度は見失いそうになった“優勝”の2文字が、再び頭に飛び込んできた。「開き直って狙っていけるパットだったのに、こんなに緊張する予定じゃなかった」としびれるパーパットを沈め、トータル12アンダーで首位に並んだ。

チャンスホールの最終18番パー5はともにバーディで上がり、勝負はプレーオフへ。「ドライバーを打つまではOBもあるのでかなり不安だったけど、このホールで勝負を決めないと不利になると思った。チャレンジャーとしてやろうというつもりもあった」。思い切って振り抜いたドライバーショットは右に出たが、カート道に当たってフェアウェイに戻ってきた。普段より30ヤードほど飛ぶビッグドライブを見せ、アドバンテージもとった。そこから5番アイアンで打ったセカンドを約4mのイーグルチャンスにつけ、沈めて右手を振り上げる。パターを投げて両手を掲げ、涙がこみ上げた。

表彰式を終えても、関係者やボランティアスタッフ、ファンなど、多くの人から祝福は絶えない。すっかり暗くなったクラブハウスに戻りながら、「ゴルフって、こんなことがあるんですね。やってきて本当によかった。こんなに興奮するんだ」。これまでも、数々の劇的優勝でファンを魅了してきた。“これぞ石川遼”という勝ち方で、3年ぶりの栄光をつかみとった。(文・谷口愛純)

記事提供:ALBA.Net(GGMグループ)

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