取材の現場から

プレーヤーズ委員会委員長に就任した有村智恵の決意

今年からプレーヤーズ委員会の委員長に就任した有村智恵。今季は選手として戦いながら、協会と選手との橋渡し役を務めるというまさに“二足のわらじシーズン”となる。今季シード選手の平均年齢は、史上最少の26.4歳。現在31歳の有村はツアーのなかでも中間の世代にあたる。昨年12月、一連の放映権問題のLPGAの対応に関して、怒りをあらわにしていた有村。今季開幕戦「ダイキンオーキッドレディス」の開催前日の6日(水)、有村に現在の心境を聞いてみた。

「昨年いろいろな発言をしたんですけど、私自身もやっぱり会長や協会の方々が進めていきたいとしている改革の部分では応援したいっていう気持ちがあります。ただ、それを進めるにあたって、いろんなところから出るいろいろな意見が私たちの不安につながっていました。私たち選手としては、やっぱり協会の方とスポンサーさんとみなさんと手を組まないとこのツアーは成り立たないというのが前提にあります。自分たちもただ意見を出すだけではなくて、どうしたらいいのかということをしっかり自分たちで考えなくちゃいけないと思いました」

プレーヤーズ委員長になったこともあり、有村自身の考えも大きく変わったようだ。

「いまの若い選手たちは(LPGA)協会の方々と話し合う機会も少ないですし、密な関係を作っていきづらいのかなって感じる部分があります。いい意味で私たちの世代がワンクションになれたらいいなと思っています」

そう思うようになったのは、女子ツアーの将来を見据えてのことだという。

「もちろん長くツアーにいたいと思っているんですが、私たちの世代もいつまでツアーにいられるのかわからない。やっぱり世代交代というのはどうしても結果として起きることなので。今後、若い世代ばかりになったときに、協会の方々やスポンサーの方々とどうコミュニケーションをとっていくか。今のうちに道筋を作っておいたほうがいいと思うので、今年はいろいろ考えてやっていきたいなと思っています」

有村を初めて取材したのは2008年、いまから10年以上も前のことだ。20歳だった有村は年齢の割にしっかりしていると感じた。しかし、当時はゴルフのことしか考えていなかったと振り返る。

「若いときはゴルフばかりだったし、私たちも試合のない時代を知りません。恵まれたツアーがあるのは、切り拓いてくださった先輩方がいるからこそ。今では試合があるのが当たり前になっていて、それが当たり前じゃないんだよっていうことをみんなが気づかなければいけないし、これからゴルフをどうやってアピールしていくかっていうことをどんどん女子プロゴルファーも考えていかなくてはならない」

宮里藍が引退した今、有村は日米両ツアーを知る数少ない選手の一人だ。自身が経験したこと、感じたことを若い世代に伝えていくという強い意志を感じた。そして、有村が若手選手に期待にしていることがあるという。

「どうやったらゴルフを、女子プロゴルファーをもっとよく思ってもらえるか、ゴルフをやってみたいと思ってもらえるか……。若い世代には、SNSの使い方がすごく上手な子が多い。そういったところでもファンを拡大すること、ファンの方が喜んでくれる企画を選手一人ひとりが考えて、いっしょにゴルフ界を盛り上げていけたらと思っています」

プレーヤーズ委員長・有村智恵の2019年シーズンは始まったばかり。その手腕に期待したい。