取材の現場から

韓国女子ツアーがシード選手の海外参戦を制限 女子ツアーは日韓ともに鎖国政策に向かう!?

日本女子プロゴルフ協会が、2019年からQTの出場資格を「LPGA会員」だけに限定するというニュースは、本誌でも既報のとおり。

現状の規定だと「LPGA会員」になるには、プロテストに合格するか、ツアーで優勝して入会資格を得るか、賞金ランキング50位までに入ってシードを獲得するしかない。これまでは非会員でもQT受験が可能で、上位に入ればTP単年登録によってツアー出場が可能だったが、この制度も18年までとなった。

まだプロテストに合格していない若手や海外選手が日本ツアーに挑戦するには、まず会員になる道が先決で、ツアー参戦への道は狭き門となってしまった。例えば、レベルの高い海外選手が入ってこなければ、自国選手の枠は確保されるが、これでツアーのレベルアップが図れるのだろうか。

さらに、お隣の国、韓国でも新たな施策が19年から実施されるという。

韓国女子プロゴルフ協会(KLPGA)が18年11月の理事会で、レギュラーツアーの規定を一部、改定・新設した。その中でも驚いたのが「レギュラーツアーのシード選手は、同期間に海外で開催されるツアー出場を1シーズン3試合まで」に制限されたことだ。

また、「KLPGAのメジャー大会が海外ツアーと同期間に開催される場合、強制的に国内メジャーに出場しなければならない」。違反すれば、最大10試合の出場停止および日本円で1万~1000万円の罰金が課されるという。

韓国ネットメディア「イーデイリー」のゴルフ専門記者、チュ・ヨンロ氏は「この新規定により、KLPGAツアーで活動する選手は海外進出が難しくなった」と話す。

気になるのは日本でも人気のある韓国人選手の動向。中でもアン・シネはどうなるのか?

「アン・シネ選手は19年まで韓国ツアーシードを持っているので、日本(海外)ツアーに出場するにしても、3試合限定となります。もしそれ以上、日本ツアーに出場するとなれば、罰金と韓国ツアーの出場停止が課せられます」

アン・シネの元には、すでに日本のトーナメント主催者から出場オファーがきているとも聞いているが、KLPGAが新設した規定が足かせになってしまうのはいうまでもない。一方、昨年の日本のファイナルQTで14位に入って前半戦の出場権を得たペ・ソンウ(18年韓国ツアー賞金ランキング2位)の場合は、日本の出場権を持っているため、KLPGAの規定にはかからない。

韓国女子ツアーでは、18年賞金ランキング1位のイ・ジョンウンが、19年から米ツアー進出、同2位のペ・ソンウが日本行きを決めるなど、近年、人気・実力を備えた選手の流出が後を絶たない。近年は韓国の大会スポンサーも投資を渋る動きがあるという。そうした流れを食い止めるための対策ともいわれている。

しかし、日本も韓国も、自国選手を囲い込む施策が、ツアーのレベルアップや集客に効果を発揮するのかは疑問だ。数年後に“鎖国政策”が失敗に終わったと振り返られることにならなければいいが。

(本誌・金 明昱)
文・編集部 ※2019年1月29日号「芝目八目」より

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