匠の戦略思考に学ぶ極上のコースマネジメント術【渡辺司1】

勇気を持って攻めるべきときの見極めも肝心

 仮に、熱心に練習するも、なかなかいいスコアで回れない人がいて、ボクがその人の実力を把握したうえでキャディをしたとします。そうして各ショット、ボクの選んだクラブで、どこを狙って打ちなさい、との指示どおりにプレーをすれば、ベストスコアを更新させてあげられるかもしれません。まぁ、プレーヤーとしては、打ちたいショットも打たせてもらえず、不満やストレスを感じるでしょうが、リスク回避に徹しつつ、スコアをまとめるすべを体感してもらえると思います。

 ただし全部が全部、守りのゴルフをさせるわけではありません。時には勇気を持って攻めなさい、と指示することもあるでしょうね。

 例えば、普通に打てばグリーンオン率6割以上のショートアイアン。それなのにグリーン周りのバンカーや池が目に入った途端、成功率がガクンと下がってしまう人がいます。そうしたケースで引いてしまってはレベルアップを望めません。ですから、その人に“大丈夫、できる。何も怯(おび)えることはない。自分を信じていこう”と声を掛けるなどして攻めさせます。

 もしくは、ドライバーの調子が悪く、打球が曲がって方向性を乱しているとき。その症状にもよりますが、すぐに他のクラブで刻め、などとはアドバイスしません。ドライバーを手に不安げに、なんとか真っすぐ打とうとしているその人に“そりゃ、失敗だってするさ。過去のショットは忘れて、この1打、ナイスショットを目指していこう”と、スイングに思い切りさを取り戻せるように仕向けます。

 成功率6割以上のショットで攻めるとは、決して守りだけの策ではないことを知っていただきたく、参考までに。

成功率の低いショットは潔く諦める。もしかしたら、はまず実現しない

取材/文・伊藤昇市 取材協力・ゴルフネットワーク(東京都)
※週刊パーゴルフ(2015年9月8日号)掲載


渡辺司(わたなべ・つかさ)
1957年2月16日生まれ、東京都出身。81年
プロ転向、レギュラーツアー通算2勝、シニアツアー通算4勝。オールラウンドプレーヤーとして、レギュラー時代は85年から2003年まで19年連続シード権を維持。シニア入り後は08、13年に日本プロシニア選手権、09年には日本シニアオープンを制するなど、公式戦に強さを発揮する。セガサミーホールディングス所属

※次回は6/26(月)更新予定


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