米LPGAツアーで存在感を示す“コリアンパワー”選手だけに限ったことではない

ギャラリーの獲得が課題の米LPGAツアー。ヒューゲル-JTBCロサンゼルスオープンは立地のよさもあり韓国人ギャラリーを集めた 写真・Getty Images
ギャラリーの獲得が課題の米LPGAツアー。ヒューゲル-JTBCロサンゼルスオープンは立地のよさもあり韓国人ギャラリーを集めた 写真・Getty Images 【拡大】
 米LPGAツアーで今季新設されたヒューゲル-JTBCロサンゼルスオープンは、13年ぶりにロサンゼルスで同ツアーの大会が開催されるとあって、大いに盛り上がった。

 開催コースのウィルシャーCCは間もなく開場100年を迎える歴史ある名門コース。重厚なクラブハウスには往年のハリウッドスターたちの写真が飾られ、なんとも華々しい雰囲気だ。市街の中心地に位置し、“ハリウッドサイン”も望むことができる。

 さらに、全米最大のコリアタウンに隣接していることから、韓国人ギャラリーが大挙して応援に詰めかけた。在米韓国人に最も人気のあるミシェル・ウィーも出場し、インビー・パークと若手のコ・ジンヨンが優勝争いに絡んだことから、会場は熱気に包まれた。

 この大会と、2年ぶりに復活した翌週のLPGAメディヒール選手権はともに冠スポンサーが韓国の新進気鋭の美容メーカーだ。昨年、スケジュールが発表された段階では冠スポンサーが決まってなかったのだが、最終的には韓国企業が名乗りを上げたという。

 3月以降、バンク・オブ・ホープファウンダーズカップ、起亜クラシック、ロッテ選手権、そしてこの2大会、さらに5月のLPGAボルヴィック選手権と、韓国企業が冠スポンサーとなっている大会がめじろ押しだ。

 コミッショナーのマイケル・ワン氏は、

「もちろん韓国人選手たちの活躍により、ツアーが母国の韓国で大いに注目を集めていることもあるが、冠スポンサーになることは、米国中にその名前を発信するのに最高の力を発揮する。世界をマーケティングの標的にする企業にとって格好の舞台だ」

 と、その理由を話す。

 最も大きな成功例が起亜自動車だろう。同社は2010年に起亜クラシックの冠スポンサーとなったが、今ではツアーのオフィシャルカーとして7大会のサポートもする。

「10年前の起亜自動車は残念ながら、米国において今ほど知名度はなかったが、今や人気車種も生まれ、誰もが知る企業となった。これはツアーの力も大きく、多くの企業が起亜に続けと考えている」(ワン氏)

 ツアーと韓国のかかわりは年々強くなるばかりだ。今年3月、釜山郊外の既存コースを改造し、初の米国外のプロデュースコース「LPGAインターナショナル釜山」を来年オープンすることが発表された。同コースでは来年、ハナバンク選手権に次ぐ韓国2試合目の開催も決定。同市の市長は、

「釜山は市を挙げて米LPGAツアーを支援する。冠スポンサーはこれから確定するが、現在、女性ファッションメーカーが名乗りを上げている」

 と語っている。米LPGAツアーでのコリアンパワーは選手だけではないのだ。

文・武川玲子
※週刊パーゴルフ(2018年5月29日号)掲載


武川玲子(たけかわ・れいこ)
大阪府出身。米国・ロサンゼルスを拠点に、米PGA、LPGAツアーを精力的に取材している。2011年にはその綿密な取材活動をたたえられ、LPGAグローバルメディア賞を受賞している。

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