全米女子プロ選手権で見せたドラマの予感 メジャー戴冠へ宮里藍の最後の挑戦

復調してきたパットも「あとは決断力」。コースでどう対応できるかだ 写真・村上航
復調してきたパットも「あとは決断力」。コースでどう対応できるかだ 写真・村上航 【拡大】
 今季限りでの引退を発表後、最初のメジャーとなったKPMG全米女子プロゴルフ選手権3日目、宮里藍は67をマーク、最終日は18番パー5でチップインバーディを決めるなど、宮里らしい高い集中力を見せた。

「今日一日ラフを渡り歩いてきたのにバーディで終わることができて、ゴルフって本当に不思議なスポーツだなと思いました。最後がバーディで終われたのは、どんな形であれすごくうれしいことです。4日間戦えたこともよかったですし、このコースは初めてだったのにボランティアの皆さんも私の引退を知って声を掛けてくれたことも、とてもうれしかったです」

 と、最後の全米女子プロを振り返った。

 この大会は、宮里にとって、優勝に最も近づいたメジャーだった。

 ルーキーだった2006年、3日目を終えて首位タイに立った宮里は、メジャー初の最終日最終組を経験した。その重圧は20歳の宮里にとってはとてつもなく大きく、プレーオフ進出へ1打足りず、3位タイで終戦となった。

「自分自身が思っていた以上の早さで成長できている手応えを感じました。でも、小技をもっと磨かなければ、このツアーでは戦っていけないと、あらためて実感しました」(宮里)

 このときから宮里の小技に対する徹底的な練習が始まったことを考えると、大きなターニングポイントだったといえるだろう。

 10年も、宮里にとって初めての感情を持った大会だ。前週のショップライトLPGAクラシックでシーズン4勝目を挙げ、とうとう日本人で初めて、ロレックス世界ランキング1位へと上り詰め、女王として臨んだ。

「プレッシャーは全然なかったけれど、ロレックスランキング1位としていろいろな責任を感じました。アニカ(・ソレンスタム)やロレーナ(・オチョア)がやってきたことはすごいと思います。でも二人にも最初のステップはあった。私は私なりにできることがあると思っています」

 世界のトップに立つ選手が、どんな気持ちになるのか。湧き上がる感情と向き合い、自分を見失わないようにしながらメジャータイトルを目指したことは、宮里を大きく成長させた。このときは、3位タイに入ったものの、優勝したクリスティ・カーにたった1週間でトップの座を明け渡してしまったが、4週間後に返り咲き、9週間その座を守った。

 次戦は今週開幕する全米女子オープン。この大会こそが、宮里がアマチュアのころより夢に見てきたタイトルだ。昨年、一昨年は出場権を得られず、3年ぶりの出場となる。

「メジャーは難しいコンディションだからこそ、いろいろなドラマが生まれる」

 最後のチャンス、どんな思いで臨むのだろうか。

文・武川玲子
※週刊パーゴルフ(2017年7月25・8月1日合併号)掲載


武川玲子(たけかわ・れいこ)
大阪府出身。米国・ロサンゼルスを拠点に、米PGA、LPGAツアーを精力的に取材している。2011年にはその綿密な取材活動をたたえられ、LPGAグローバルメディア賞を受賞している。

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