NASAのロケット級の爆発力 メジャー制覇に最も近づいた日の一部始終

初優勝の翌週にはメジャーで優勝争いと、目下絶好調(写真・Getty Images)
初優勝の翌週にはメジャーで優勝争いと、目下絶好調(写真・Getty Images) 【拡大】
“9打差”を追いかけてスタートした全米女子プロ選手権最終日の朝、畑岡奈紗の顔は鋭気を取り戻していた。

連日熱波に見舞われ、前日の第3ラウンドは体感温度が40度を超えた。前週に米ツアー初優勝を遂げ、興奮から眠れない夜が続いたため疲れがピークに達したのだろう。「頭がボーッとしてしまった」と、73とスコアを伸ばせず、23位に後退。優勝争いは遠のいてしまったと誰しもが思った。

しかし、本人はその夜、母・博美さんが作った豚しゃぶを食べて、ぐっすり眠ったという。日曜午後は雷雨の予報だったためスタート時間が早まり、気温が上がる前だったのも幸いした。3番で2メートル、4番で1.5メートルを沈め、連続バーディと好調なスタートだった。7番パー5はグリーン右のバンカーから、左足下がりの難しいライをものともせずチップインイーグル。

「これは上位にいけそうだな」と思って見ていた筆者だったが、それが「もしかしたら優勝争い?」に変わったのは11番パー5。キャディのアドバイスで2オンを狙い、残り223ヤードを3番ハイブリッドでピン上5メートルにつけた。

「完璧だった。あの狭いところをよく攻められた」(畑岡)

これを見事に沈め、二つ目のイーグルを奪い、首位と3打差に迫った。風がどんどんと強まる中で上位陣のスコアは伸び悩んだ。

「15番のバーディパットくらいからドキドキした」

と、畑岡に重圧がかかったが、持ち前のガッツは大舞台でも存分に発揮された。15番でバーディを奪うと、16番はピン上3メートルからのスライスラインを見事に沈めた。畑岡が“64”をマークし、通算10アンダーでホールアウトすると、地元テレビのラウンドリポーターも「OH、これはNASAが勝つかも……」と、声に出した。そして、その読みは決して間違ってはいなかった。17番パー3で池ポチャしダブルボギーとしたユ・ソヨンとパク・スンヒョンに並び、畑岡を含む3人がプレーオフ。結果は1ホール目で脱落したが、まさにあと一歩だった。

「二人ともメジャー勝者。逆に私は何も怖いものがなかった。でもメジャー勝利が見えてきた」と、力強い言葉を残した畑岡。

その言葉以上に、畑岡のプレーにおける爆発力は鮮烈だった。近い将来、畑岡がメジャーのトロフィーを掲げる姿が筆者の脳裏にも浮かんだ。そして、その日は決して遠くない、そう確信した一日だった。

(在米ゴルフライター・武川玲子)

文・編集部 ※2018年7月31日号「芝目八目」より

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