次々と新アイデアに挑戦する欧州ツアー 目指すはサッカー並みの“ファッショナブル”

カートに搭載された巨大な“ショットクロック”が残り時間を告げる(写真・Getty Images)
カートに搭載された巨大な“ショットクロック”が残り時間を告げる(写真・Getty Images) 【拡大】
6月7~10日にオーストリアで行われた欧州ツアー「ショットクロックマスターズ」。昨年まで「ライオネスオープン」として開催されていた大会が衣替えしたものだが、新基軸として導入されたのが、文字どおり1打ごとに時間制限があり、一定の時間内にストロークが行われなければ1罰打が課されるというルールだ。選手はさぞや窮屈な思いをしたかと思いきや、ホールアウト後の選手からの評価は上々で、同ツアー6勝のベテラン、ピーター・ハンソンが「余計なことは考えないし、行わない。ゴルフはこうあるべきだ」と振り返れば、ニコラス・コルサーツも「毎週こうするべきだね」と喜んだ。

大会3日目終了後に英国放送局、スカイスポーツの取材に応じた同ツアーのCEO、キース・ペリー氏は「現時点では33分の時間短縮に成功しました。時短により、テレビ観戦しているファン、現場に大会を見に来ている人たちのどちらにもポジティブな経験をしてもらえました」と、満足そうに語った。その言葉どおり、大会後にスカイスポーツが行った調査では、96パーセントが「成功」と答えている。

出身国のカナダでメディア業界の要職を歴任したペリー氏は、敏腕ビジネスマンとして知られる。2015年に現職に就任後、これまで6ホールのマッチプレートーナメントを開催し、大会中に音楽を流して選手の派手な登場の演出も行った。そして今回のショットクロックマスターズである。さまざまな改革を積極的に推し進めているわけだが、これらすべてはゴルフ発展のためだという。

同氏は昨年、英ゴルフビジネス誌中で、次のように説明している。「人々は1ラウンド5時間以上の大会に飽き飽きしています。13、14歳の少年に5時間テレビの前に座ってゴルフを見ろというのは、現実的ではありません」

将来的には新たなフォーマットのゴルフを目指し、サッカーや野球のように“スタジアムゴルフ”の可能性も示唆する。

「よりゴルフに(新規のファンを)取り込みやすくしたい。まさにこれこそが、私たちをさまざまな改革に導いているのです。無論、従来のゴルフファンも重要です。しかし今後は、それ以外のファン拡大が必要です。老若男女が楽しめるように、ファッショナブルでもあるべきです」(ペリー氏)

根底にあるのは「ゴルフはみんなのもの」という信念だ。間口を拡大して、プレー層を増やさなくてはゴルフが衰退してしまう。欧州ツアーの発展は、今後、世界のゴルフ界全体の進化にも大きな影響をもたらしそうだ。

(在英スポーツライター・松澤浩三)

文・編集部 ※2018年7月3日号「芝目八目」より

週刊パーゴルフ2018年7月3日号(2018年6月19日発売)の芝目八目では、そのほかに以下のようなラインアップでゴルフ界の気になる最新情報をお届け中です。
●6年ぶりに2位と復活の兆しの有村智恵 好調の理由は肉体改造ともう一つ……
●ディスカバリー社が米PGAツアーの米国外すべての放映権獲得。来年からNHKで見られなくなるの!?
●米国の対策グループがクラブの模倣品200万点を押収 海外進出目指す国内メーカーも指針転換が必要
●日米のイケメン、ファウラーと今平が婚約 お相手はやっぱりウワサの……
●大会キャディフィに選手が悲鳴 背景にはゴルフ界全体の問題が

スペシャル最新記事一覧

Pargolf Members

すでに会員の方はこちら

最新トピックス


アクセスランキング

ツアー・トーナメント

フォトギャラリー

トーナメントプロ公式サイト・ブログ