大山志保の公傷はどこへ?涙の復帰を果たしたが、次なる問題も

ほけんの窓口レディースで復帰した大山(写真・Getty Images)
ほけんの窓口レディースで復帰した大山(写真・Getty Images) 【拡大】
昨年9月のミヤギテレビ杯ダンロップ女子オープンから頸け いつい椎椎間板ヘルニアを理由にトーナメント特別保障制度、いわゆる公傷の適用を受けてツアーから離れていた大山志保。ほけんの窓口レディースで8カ月ぶりにツアー復帰を果たし、24位タイで3日間を完走した。

「ティグラウンドに立てたときには、うれしくて笑いが出てきました」

と復帰の喜びを語ったが、歩くこともままならない時期もあり、復帰までの道のりを振り返ると、込み上げるものがあった。しかし、まだまだ悩みもある。

「今年21試合に出ないといけないんです」

21試合とは出場義務試合数のことだ。大山は昨年9月以降、ツアーを欠場したが、終わってみれば賞金ランキング50位でシード権を獲得。昨年の出場試合数は16試合にとどまったが、公傷の適用を受けて義務試合数は免除されている。

ただ昨年12月には歩くこともできないほどの痛みがあり、トレーニングを開始したのは1月末。だが、痛みが消えることはなかった。ヘルニアは完治せず、今季復帰するまでは“公傷選手”として扱われ、今季の義務試合数は免除されるかと思われた。しかし結論からいうと、大山は昨季シード権を獲得したことで“公傷選手”ではなくなり、通常の義務試合数を課されたことになる。

日本女子ツアーの公傷制度では、トーナメント特別保障制度専門委員会(以下、委員会)が承認し、欠場した試合から翌年の同週の試合までに復帰すれば、保障競技(*)に出場でき、義務試合数も免除される。つまり、大山の場合は、ミヤギテレビ杯までに復帰すればいいように思える。しかし、シード選手は規定上その限りではないのである。

大山のようにシーズン途中に公傷適用を受けて、同シーズンにシード権を獲得したのは「過去に例がない」(LPGA)とし、公傷選手でありながらシード選手である者の扱いについては特別保障制度にも明確な規定がない。つまり、シード選手はケガが完治していなくても休むに休めないのだ。

LPGAに問い合わせると、

「(公傷を)適用した時点で、シード選手になると義務試合数が発生することは伝えてあります。今年に入って復帰前に再度(公傷の)申請をする方法もあることは、お伝えしました」

と、説明する。また、期間満了より前に公傷の適用を終了するためには、委員会で審議する必要があるが、大山も出場には前向きだったことから、今回、審議は行われていないという。しかし、義務試合数という縛りがなければ、大山も体調優先で復帰時期を決めることができたのではないか。

実際、大山は当初PRGRレディスで復帰を考えていたが断念。地元・宮崎で開催されたアクサレディスはプロアマにも出場(途中棄権)したが、「3日間持たない」と判断して欠場。クラブ契約を結ぶヤマハレディースや公式戦のサロンパスカップも出場を検討したが体調が思わしくなく、ほけんの窓口レディースまで持ち越しとなった。結局、復帰戦は今季11試合目。体調が万全ではない中、賞金ランキング50位以内に入っても義務試合数の21をクリアしなければならない。

「なるようにしかならないです。ダメならダメで練習が足りないということですから。また頑張ります」という前向きな言葉は大山らしいが、一方で、

「徐々にはよくなっていますが、気温が低いときは痛みが出ます。痛みがゼロということはありません」と完治には程遠く、「今後痛みが出たら無理には出場しません」とも語る。

選手を守るための公傷制度、もう少し柔軟な運用ができないものだろうか。

(本誌・小高拓)

文・編集部 ※2018年6月5日号「芝目八目」より

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