中嶋常幸がレギュラーツアーから“卒業” 話芸を磨いて、目指すはゴルフの伝道師

ステップ・アップ・ツアー「静ヒルズレディース 森ビルカップ」で、トミーアカデミーの教え子たちのプレーを見守る中嶋
ステップ・アップ・ツアー「静ヒルズレディース 森ビルカップ」で、トミーアカデミーの教え子たちのプレーを見守る中嶋 【拡大】
日本ゴルフ界のレジェンドで永久シードを持つ中嶋常幸が、レギュラーツアーからの“卒業”を表明した。

あえて“引退”という言葉を使わないのは、自身、震災復興への思いが強いダンロップ・スリクソン福島オープンをはじめ、契約先等の関係する数試合への出場は否定していないためだが、

「もう成績を目指すゴルフは卒業、という意味もある。ただ、自分が出ることで役に立てる試合があるなら」

と、これからの出場は、競い合うことよりも盛り上げにひと役買うことなどが目的になる。では、なぜ“卒業”の決断に至ったのか。

「端的にいえば、レギュラーで戦える体ではなくなった。2010年に交通事故に遭い右足を負傷したことで、左足にも無理がかかり13年に左ヒザを手術。それからは十分なトレーニングができず、理想とするゴルフができなくなった。それなら、若い選手に1枠を有効に使ってほしい」

確かに、13年の手術以降、満足のいく成績が残せていないのは事実だ。しかし、その直前に出場した同年のダイヤモンドカップゴルフでは、松山英樹との最終日最終組で優勝争いを演じていただけに“もうひと花”を期待し続けていたファンも多いだろう。ただ、一線を退くことを考え始めたきっかけは、体力の衰えばかりではない、と語る。

「60代にもなると(現在は63歳)、周りの親しい人が亡くなったり、逆に周りに必要とされる場面が多くなる。若いころのようにゴルフに没頭していればいいというのではなくて、ゴルフより大事なものも増えてくる。特に、3年ほど前に家内が大病をしてからは“もうゴルフを一番にはしない”と決めた」

と、一時の思いつきではなく、数年前から考えていたことだと明かした。

今後、ゴルフ界でどのような役割を果たしていきたいか尋ねると、高齢化社会の中、シニア層にもっとゴルフを楽しんでもらうためのサポートを挙げた。具体的にはトーナメントでギャラリーを引率し、試合の妙味を解説したり、上達のヒントを伝授したりというプランを考えている。そのために落語家・立川志の輔さんに師事し、「立川芝楽(しばらく)」という名前までもらって話芸を磨く。

「これからは、シニアツアープレーヤー、(ヒルズゴルフ トミーアカデミー等での)ジュニア育成、そしてゴルフの楽しみを伝えるガイド役の三本柱になる」

晴れやかな表情で、そう語る中嶋。見る側として一抹の寂しさはあるが、今後、ますますの活躍に期待したい。

(本誌・金子信隆)

文・編集部 ※2018年5月29日号「芝目八目」より

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