森功 芝と冠 企業人たちのトーナメント サントリーレディスオープン「宮里藍、国内最後の舞台」(2)

「ゴルフ場がパンクしてしまう!」安全面とホスピタリティーを考え、前売り券の販売打ち切りを決断した

宮里藍の国内最終戦となった昨年のサントリーレディスオープン。「これが藍ちゃんのプレーの見納めかもしれない」という思いがゴルフファンの背中を押し、前売り券はかつてないペースで売れ続けた。ギャラリーはいったいどこまで膨れ上がるのか? 過去の経験からは推し量れない事態に、主催者であるサントリーはどう対応したのか?

記念に残る大会にしてあげたかった

グループの宣伝部門を担うサントリーコミュニケーションズ社長の山田眞二(右)と宣伝部部長の牧野清克
グループの宣伝部門を担うサントリーコミュニケーションズ社長の山田眞二(右)と宣伝部部長の牧野清克 【拡大】
 昨季限りで現役を退く宮里藍には、サントリーという会社に深い思い入れがある。一昨年12月、山崎蒸溜所を訪問したとき本人は、すでに引退を決めていたのかもしれない。サントリーコミュニケーションズ社長の山田眞二が、1年前のことを思い起こして話した。

「元バレーボールのオリンピック選手で、現在ウイスキーアンバサダーとしてウイスキーの啓発活動を担当している佐々木太一が、宮里選手を案内しました。アスリート同士なので通じるものがあるだろうと思い、彼にウイスキーの説明をしてもらったんです。宮里選手は身長150センチちょっとの小柄な体ですけど、元バレーボール選手の佐々木は2メートル近い長身。二人が並ぶとずいぶん身長が違うのですが、ウイスキーの話ですっかり意気投合していました」

 サントリーのウイスキーアンバサダーでは、NHK朝の連続テレビドラマ『マッサン』に出演した俳優の堤真一が有名だ。アンバサダーになるための資格は厳しいらしいが、明るい宮里は女性ウイスキー大使にもピッタリかもしれない。

 もとよりゴルフ界としては、この先も宮里の活動に期待する部分が大きい。その藍ちゃんの国内での引退試合となるかもしれないのだから、サントリーレディスの主催側には、相当なプレッシャーがあった。

「宮里選手に対して記念に残る大会にしてあげたかったし、われわれにとってもメモリアルな大会になると思って取り組みました。大会のいろんな準備を含め、これまでとはまったく違う意識で臨みました」

 山田は、そう振り返って心情を吐露する。2000年に14歳で初登場、01年から3年連続ベストアマに輝き、本格的にプロデビューした年に優勝を飾った宮里にとっても、サントリーレディスは、国内ツアーの中でも別格の存在だ。

「まず、ものすごくたくさんのお客さんがいらっしゃると想定されました。われわれとしても、できる限り多くのお客さんに見ていただきたい。だけど、そこには安全面の確保とホスピタリティー(もてなし)が欠かせません。例えばお客さまが来場するためのアクセス。通常とは違う状況で、そこをどうするか……」

 会場となる六甲国際ゴルフ倶楽部には、間違いなくサントリーレディス史上、最多のギャラリーが予想された。山田が続ける。

「通常、長年トーナメントをやってきている実績の中で、ギャラリーの入りはシミュレーションできるんですけど、今回ばかりは過去の知見が通用しない。実際、何人来るか分かりませんでした。最大これくらいだろうか、と手探りしながら、送迎バスの台数や駐車場のキャパシティーを検討していき、万が一、インフラが厳しくなってきたらどういう対応をするのか、という想定までしていました」

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