坂田信弘のラウンド進化論 自制心を捨て、計算高さも捨ててピンを狙え

50歳を過ぎると、筋力や柔軟性、瞬発力や反射神経など、体のあらゆる部分がピークのころとは変わってくる。それに対応するには、ゴルフに対する考え方(=ゴルフ脳)を、50歳以上仕様に切り替えることです。

『坂田信弘のラウンド進化論』は、週刊パーゴルフにて連載中!
最新号(7月24・31日合併号)では「軸足のヒザ裏をもんで、傾斜ショットに臨む」を掲載!
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「難度の高いホールであれば、ピンを狙わず左右へ逃げろ」とは、コースマネジメトの定石のようにいわれている教えであり、賢い攻め方のように思えても当然であろう。だが、「左右へ逃げる」は最悪となる場合も多いのです。結果を恐れて左右へ逃げるゴルフを続けて、大成したプロは一人もいない事実を知ってもらいたいと思う。

一流プロは「仕方ないな」で攻める

 パー5のセカンドショットをスプーンで打つ。グリーンは220ヤード先で、その左右にはバンカー。手前には池、奧と左サイドはOBという場面。

 この一打における最高と最悪の結果を考える。

 最高のショットは簡単だ。いいスコアにつながるショットを打てばいい。グリーンに乗りOKの距離に寄るとか、奇跡のように入ってしまうといったショットだ。

 最悪の結果は、OBや手前のウォーターハザードへの打ち込みである。では最悪の結果にならぬためにどうするか。自制心のある人は、OBやウォーターハザードに入れるぐらいなら左右のバンカーのほうがマシと考える。私がそうであった。プレッシャーのかかるショットはフェードの球筋で逃げた。今はその考えのお粗末さがよく分かる。その“逃げ”が、私がツアープロとして一流になれなかった一番の原因であった。

 プロの世界で成功する人の自制心は弱い。ピンしか見ていない。イケイケドンドンというやつだ。OBになろうが手前のウォーターハザードに入ろうが、それは結果でしかない。入ってしまったら、青木功さんがいうところの「しゃんめえ」だ。

「しゃんめえ」は諦めでもなければ、マイナス思考でもない。強烈なる攻めの姿勢の基本思考である。日本で最も「失敗しても仕方ないじゃないか。起きてしまったことに、くよくよするな」の気概を持ってショットに臨んだのは中村寅吉さんであり、青木さんであり尾崎将司さんであったと思う。松山英樹も石川遼も「仕方ないな」で打っていくゴルファーだ。

 杉原輝雄さんも仕方ないという考えを持っていたし、悔いを残さぬ人であった。杉原さんのゴルフは逃げがうまいようにいわれているが、そんなことはない。日本で直(じか)ドラを最も打ったのは杉原さんである。どんな状況でも、グリーンへ球を運ぶことにしがみついていた。それでOBになっても仕方ないという人であった。それなのに人前で話すときは「逃げろ」という。そのギャップもまた杉原さんの魅力であったように思う。

 関西プロ選手権を終えた夕刻の風呂場、杉原さんがボソッとした声で私にいった。

「逃げすぎやで、坂田クン。逃げて勝てる勝負なんて、どこにもあらへんがな。もっとピンに向かって打っていかなきゃ、大成せえへんで」

 と。私は成功しなかった。三流選手のプロで終わった。

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