隻腕のハンディにも3回の大病にも負けずにシニアツアーQTに挑んだティーチングプロ

シニアツアー予選会でのティショット。初めて小山田と回るプロは飛距離に驚かされることになる
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小山田雅人というPGA公認のティーチングプロをご存じだろうか。2歳の時に事故で右腕を失った隻腕のプロゴルファーとしてメディアにも幾度となく紹介されているので、ご記憶の方もいるだろう。また、世界障害者ゴルフ選手権前腕切断の部で7度の優勝を誇る、障害者ゴルフの第一人者でもあり、そちらの報道を目にした方もいるかもしれない。その小山田が来季のPGAシニアツアーの出場権をかけたクオリファイングトーナメント(QT)の1次予選会(12月13~14日、埼玉県・高坂CC)にチャレンジした。

51歳の小山田がQTを戦うのは今回が昨年に続いて2度目。だが今年は参加が危ぶまれていた。8月に脳梗塞で緊急入院。ゴルフは11月まで無理と医師からいわれていたのだ。だが2週間で退院し、9月にはゴルフを再開。今年の世界障害者ゴルフ選手権には参加できなかったが、10月中には試合に参加できるにまで回復していた。

「左目が見えなくなって病院に駆け込んだら脳梗塞との診断。幸い、視力も回復し手足にも後遺症などが残らず、医師に驚かれました。どうしてもQTには出たかったので、参加できてよかったです」

小山田が病に倒れたのは、これが3回目。最初は2005年。世界障害者ゴルフ選手権で優勝した直後に脳腫瘍が分かり、記憶を司る左側頭葉の7割を切除。体力と記憶の一部を失った。さらに14年にPGAティーチングプロとなった直後には心筋梗塞にも襲われている。幸い、どちらも後遺症が残らずにゴルフを続けられているが、今でも脳腫瘍の検査を定期的に行っている身でもある。

さてQTに話を戻そう。初日は課題のパットが入らずに86で85位。前週のラウンドでは73で回っていただけに、ちょっと残念な結果だった。「予選会を通過するために先週のラウンドからスイングを変えて好調だったので、行けると思ったのですが」と小山田。最終日も84で79位と、最終予選には進めなかった。ティショットの飛距離も同伴競技者に引けをとっていなかったばかりか、スコアも最終日は同組でベストだったのだが……。

「身体的なハンディがあってもできることを証明したいんです。『ハンディがあるのにスゴイ』ではなく、『負けたくない』とプロに思わせたいわけです。シニアツアーに出て予選通過できれば、それを証明できたことになると思うので、来年も頑張ります」とQTに挑む理由を語る小山田。世界障害者ゴルフ選手権でも、前腕切断の部ではなく総合優勝したいと、高い目標を掲げている。障害者ゴルフの常識としては、片足切断者より片腕切断者のほうがゴルフにとってハンディが重く、総合優勝のハードルはかなり高いのだ。

そのためにも小山田は努力を続ける。それは脳腫瘍で入院中も、点滴を左腕に受けながらリハビリ室でトレーニングしていた負けん気があってのことだろう。シニアツアー、障害者ゴルフだけでなく、現在は採用に至っていないパラリンピックでのゴルフ競技の出場の可能性もある。夢は、まだいっばいある。

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